WinMXで音楽ファイルを不正公開、ユーザーに538万円の支払いを命じる判決


 一般社団法人日本レコード協会は6日、ファイル共有ソフト「WinMX」を利用して著作権侵害を行っていた大阪市在住の40代男性に対して、レコード会社4社が損害賠償を求めていた訴訟について、総額538万1280円の損害賠償金および遅延損害金の支払いを命じる判決が確定したことを明らかにした。

 訴訟は、男性が2008年11月~2009年3月の4カ月間に、権利者の許諾無く約150の音楽ファイルなどをアップロードしていたことに対して、レコード会社4社が損害賠償を請求したもの。

 日本レコード協会によると、2009年3月にWinMXを利用して著作権侵害を行っていたユーザー4人に対してISPに発信者情報開示請求を行い、3人については今後著作権侵害を行わない旨の誓約書の提出と損害賠償金の支払いについて和解が成立した。しかし、1人が協議に応じなかったため、レコード会社4社が2010年4月14日に民事訴訟を提起。7月5日に東京地裁がレコード会社側の主張を全面的に認める判決を下し、8月5日に判決が確定したという。

 日本レコード協会ではこれまでに、ファイル共有ソフトで音楽ファイルを権利者に無断で公開していた18人と会員レコード会社の間で、誓約書の提出および損害賠償金の支払いにより和解が成立していると説明。また、日本レコード協会は「ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会(CCIF)」に参加し、Winnyユーザーに対して現在までに147通の啓発メールの送信をISPに要請しており、今後もファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害事件に積極的に取り組んでいくとしている。


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(三柳 英樹)

2010/8/6 19:29