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IE9ベータ版公開を受け、「IE9の誕生を祝う会」が開催


 「Internet Explorer 9」(IE9)のベータ版が公開されたことを受け、ユーザー主催によるイベント「Internet Explorer 9の誕生を祝う会(ベータ版)」が15日、開催された。マイクロソフトはイベント会場に新宿本社の会議室を提供するなど協力し、イベントではマイクロソフトの担当者によるIE9ベータ版の紹介や、IE9への期待や今後の要望などを語るライトニングトークセッションなどが行われた。

MS担当者がIE9ベータ版の新機能を紹介。「ブラウザーは劇場、主役はウェブ」

マイクロソフトの春日井良隆氏

 マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部の春日井良隆氏は、IE9ベータ版の概要を解説。IE9の開発にあたっては徹底的なユーザー調査を行い、「Windows PCの59%の時間はウェブブラウザーに使われている」「50%以上のユーザーは12のアクションしか実行していない」「62%のユーザーが1つ以上のアプリケーションをタスクバーに設定している」といった結果をもとに開発を進めたとした。

 春日井氏は、複数の選択肢があるブラウザーの中から、ユーザーにIEをあえて選択してもらうためには何が必要かという観点から、「ブラウザーは劇場だと考えた」と説明。「観たいのは劇や俳優であって、劇場そのものを観たいわけではない。劇場の役割は快適な環境を提供すること」として、ウェブもコンテンツやアプリケーションが主役であり、ブラウザーはそのための快適な環境を提供するものだとして、IE9のキーワードとして「高速」「洗練」「信頼」「相互運用性」の4つを挙げた。

IE9開発にあたって行ったユーザー調査の結果 IE9のキーワードは「高速」「洗練」「信頼」「相互運用性」の4点

 「洗練」の面では、ウェブの表示面積を広く取るため、ナビゲーション用のボタンや設定アイコンなどはシンプルにまとめられ、アドレスバーと検索ボックスも統合された。また、Windows 7に最適化した機能として、タブをドラッグして別ウィンドウとして表示したり、タスクバーにドラッグ&ドロップすることでサイトをタスクバーに登録できる機能を紹介。タスクバーに登録したサイトアイコンには、右クリックで表示するメニューを指摘できるなど、ウェブアプリケーションを通常のアプリケーションのように利用できる機能を盛り込んだとした。

 こうした新機能を活用した各社のデモは、「Beauty of the Web」のサイトで見ることができるとして、Yahoo! JAPANが提供しているデモや、株式会社ビジネス・アーキテクツが提供したHTML5による書道アプリケーションを紹介。IE9ベータ版でこうした機能を試してほしいと語った。

タブをドラッグ&ドロップすることで、サイトをタスクバーに登録できる タスクバーへの登録に対して、右クリックで表示するメニューをサイト側が指定できる
「Beauty of the Web」で紹介されているYahoo! JAPAN提供のデモ ビジネス・アーキテクツ提供の書道アプリのデモ
マイクロソフト ディベロップメントの五寳匡郎氏

 マイクロソフト ディベロップメントの五寳匡郎氏は、IE9に搭載した新しいJavaScriptエンジン「Chakra」は、マルチコア対応となり、IE9自体にエンジンを実装することなどで、高速化を実現したと説明。「IE8の発表時には、IE6の7倍、IE7の5倍高速化したと言っていたが、IE9はIE8の10倍速い。IE6と比較すれば70倍速いということになる」とした。

 HTML5のレンダリングにはDirectX APIによりGPUを使用しており、ビデオのハードウェア再生支援だけでなく、CanvasやSVGの描画、CSS3の透過処理などもGPUを使うことで高速化していると説明。ただし、インストールしたハードウェアによってはGPUの利用が無効化される場合もあるので、設定(インターネット オプション)の「詳細設定」メニューで、「アクセラレータによるグラフィック」の項目を確認してほしいとした。

新JavaScriptエンジン「Chakra」を搭載 IE8との比較で10倍のパフォーマンス

 また、相互運用性の面では、ウェブ標準への準拠を表明しており、HTML5、CSS3、DOM Level 2/3、SVG 1.1、ICC COlor Profileなどへの対応を進めていると説明。HTML5については、canvas、video、audioといったタグもサポートし、「初期のプラットフォームプレビュー版ではcanvasにまだ対応しておらず、『どこがHTML5対応だ』などと言われたりもしたが、かなりちゃんとした形でcanvasにも対応できた」と語った。

 CSS3についても、「使えるもの、要望の多いもの」から対応を進めていると説明。IE9でサポートしたCSS3コンポーネントや、表示するデバイスの解像度によってレイアウトを切り替える「Media Queries」への対応、WOFF(Web Open Font Format)のサポートといった新機能を説明した。

 五寳氏は、「現状でもIE9は素晴らしいブラウザーだと言いたいが、まだベータ版の段階。本当に素晴らしいものにするためには、みなさんのフィードバックが必要」として、IE9のベータ版を使って要望を挙げてほしいとコメント。IE9への要望としては、ライトニングトークのセッションでも、HSTS(HTTP Strict Transport Security)やWebGLへの対応を求める意見が挙がった。

 質疑応答では、「IE9は新しいOSとセットでリリースされるのか」という質問が寄せられ、マイクロソフトとしては「Windows 7が出てようやく1年という段階であり、IE9は次のOSのセットということにはならない」と考えていると回答した。

HTML5への対応 CSS3への対応
要望の多かったモジュールやプロパティを実装 DOMの強化ポイント
SVGに対応 WOFFに対応

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(三柳 英樹)

2010/9/17 15:13