光IP電話もユニバーサルサービス制度の対象に、情報通信審議会が答申案


 情報通信審議会の電気通信事業政策部会は26日、ユニバーサルサービス制度の対象を「加入電話」から「加入電話または加入電話に相当する光IP電話」に変更することが適当だとする答申案をまとめ、パブリックコメントの募集を開始した。募集期間は11月25日まで。

 総務省では、2015年ごろをめどに全世帯がブロードバンドサービスを利用する「光の道」構想に向けた検討を進めている。一方で、現行のユニバーサルサービス制度では、従来の加入電話が制度の対象となっており、NTT東西には全国で加入電話の提供を維持することが義務付けられている。

 こうしたことから、総務省では情報通信審議会に対して、ブロードバンドサービスが全国に普及するまでの移行期間における、ユニバーサルサービス制度のありかたについて諮問。審議会の電気通信事業政策部会が答申案をまとめた。

 答申案では、ユニバーサルサービス制度の対象を「加入電話または加入電話に相当する光IP電話」と変更することで、NTT東西に自由度を付与し、光ファイバーとメタル線の二重投資を回避できるようにすることが適当と考えられると指摘。この変更により、宅地開発の際にメタル線の整備の回避や、将来的なメタル線撤去の準備などが可能となり、光ファイバーの整備を促進することも期待できるとしている。

 また、「光の道」構想では、ブロードバンドアクセスをユニバーサルサービスとして位置付けることも想定しているが、答申案では構想が実現するまでの移行期においては対象は従来と同様に電話とすることが適当であり、構想実現後も電話を前提としている現行制度の見直しや、ブロードバンド利用率の向上による国民的コンセンサスが必要だとしている。


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(三柳 英樹)

2010/10/27 06:00