インプレスR&D、章単位で購入・製本できる電子出版サービス「libura PRO」


 インプレスグループで法人向け情報技術関連メディア事業を手がける株式会社インプレスR&Dは11月24日、大日本印刷株式会社および、liburaプラットフォームを開発した株式会社ライブラネオと提携して、電子出版&オンデマンド製本流通サービス「libura PRO(ライブラプロ)」を開始した。

 「libura PRO」は、ビジネス向けの情報コンテンツをPDF、CD、書籍で24時間注文できる電子出版サービス。サービス開始時はインプレスR&Dの調査レポート38点を販売する。調査レポートはそれぞれ章単位での購入も可能。調査レポートのコンテンツ(PDFまたはCD)価格は5250円から。利用にはSilverlightをインストールする必要がある。

 大日本印刷と共同開発した「オーダーメイドブック」サービスにより、購入したレポートはオンデマンドで1部から印刷・製本ができる。オンデマンド印刷製本代金は200ページで約4000円、800ページで1万円程度。なお、調査レポートは購入時にPDF、CD、PDF+冊子+CDセットの3種類から選択可能だが、PDFと冊子のみが必要な場合は、PDFを購入してから冊子をオーダーすることもできる。

 オンデマンド製本では、章単位で購入したコンテンツを別の書籍のコンテンツと組み合わせて任意の順に並べるなど、カスタマイズして1冊に製本することも可能。インプレスR&Dによれば、こうしたオンデマンド印刷・製本機能を提供するサービスは世界初だという。オンデマンド製本を注文してから、関東圏であれば中1日程度で手元に届く。

 「libura PRO」サイトでは、Silverlight技術を採用。「目次・索引検索」機能のほか、全書籍・レポートを串刺しした全文検索機能を備えた。検索結果画面から書籍のプレピューが閲覧可能で、購入していない書籍もページの縦半分が閲覧できるため、内容を確認してから購入できる。

 また、法人利用が多く見込まれることから、見積り・請求書・領収書のオンライン発行機能も備えた。決済はクレジットカードまたは銀行振込となる。

 インプレスR&Dでは、自社で発行する調査レポートシリーズの販売からサービスを開始し、他の版元にも賛同を呼びかけ、他版元のレポートや書籍も広く扱っていきたい考え。

 libura PROのカスタマイズ機能により、購入者は複数版元のコンテンツの必要な章だけを購入し、章立てを再構成して1冊の書籍としてまとめてオンデマンド製本することも可能になる。

目次索引検索の利用例購入しなくてもプレビューでページの半分ていどが閲覧可能

 インプレスR&Dでは、こうした仕組みが有効なコンテンツとして、各種調査レポートや報告書、白書などのほか、一般企業が保持している専門情報やマニュアルなどが考えられるとしている。「権利問題をクリアしたPDFファイルを提供いただければコンテンツとして販売可能なので、興味を持たれたらぜひお問い合わせいただきたい」(インプレスR&D 井芹社長)として、広く参加を呼びかけている。

 なお、ライブラネオ社とネオジャパン社が運営するインターネット上の文書共有サイト「libura」は、Silverlight技術を用いて構築されており、今回インプレスR&Dがサービス開始する「libura PRO」は、「libura」をベースとして、インプレスR&Dが設計した機能拡張を行ったもの。

 また、libura PROでは大日本印刷のデジタルコンテンツのオンデマンド印刷・製本サービスとオンラインでシステムを結合しており、この部分についてはインプレスR&Dと大日本印刷両社で仕様を策定し開発した。

 インプレスR&Dでは「libura PRO」サービスにより、2年で自社コンテンツで1億円、他社コンテンツも含めて3~5億円の売上げを目指す。


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(工藤 ひろえ)

2010/11/24 10:00