BIGLOBE、Android端末活用クラウドサービス「Smartia」


古関氏

 NECビッグローブは、7インチのAndroidタブレット端末を利用したサービスと端末を一体化させた新サービス「Smartia」(スマーティア)を12月6日より開始する。

 端末はNEC製のタブレット端末「LifeTouch」を採用。屋内、屋外での利用を想定し、さまざまなアプリケーションやサービスがプリセットされた状態で提供される。占いやショッピング、ニュースなどの情報が楽しめるほか、フォトフレームなどとしても利用できる。アプリ配信マーケット「andronavi」への窓口も用意され、サービス開始当初は厳選されたアプリ200本(うち150本無料)がダウンロードできる。

 端末は売りきり型で販売され、価格は4万2800円。11月25日より電話による事前予約を受け付ける。サービス利用料などはかからず、端末を購入すれば利用可能となり、長期契約拘束などもない。利用するインターネット接続プロバイダー(ISP)がBIGLOBEでなくても利用できる。

 なお、発売記念キャンペーンが実施され、「BIGLOBE 光パック Neo with フレッツ」に申し込むと、2年契約(24カ月)を条件に端末価格が1円になり、モバイルWi-Fiルーター「WR4100N」もプレゼントされる。

 さらに、イー・モバイル網を利用したMVNO型サービス「BIGLOBE 高速モバイル EM」に申し込むと、端末価格は3万4800円になる。その場合、モバイルWi-Fiルーター「Pocket WiFi(D25HW)」が0円で購入できる。

Smartiaによるクラウド展開を加速

 発表会に登壇したNECビッグローブの取締役執行役員常務の古関義幸氏は、「BIGLOBEはネットの黎明期から20年近くサービスを展開している。パソコンはユーザー自身で購入し、ユーザー自身で管理するため、BIGLOBEがそこに手は出せない。しかし、会員からはパソコンを購入したら設定がわからなくなった、メールの設定がわからないという声がある。そういったことを考えると、端末にもっとサービスを入れなければならないのではないか」と語り、「Smartia」を提供する意義を語る。

 NECビッグローブでは、昨年7月にパーソナルクラウドを発表し、昨年末には、Camangi製のAndroidタブレット端末を用いてモニター実験を展開、ユーザーニーズを探っていた。今回発表された「Smartia」は、NEC製のAndroidタブレット端末「LifeTouch」に独自のユーザーインターフェイスのほかに、Webサービスやアプリケーションなどへの導線が用意されている。古関氏は、端末とクラウドサービスを一体化させたサービスだとアピールした。

 ベッドサイドやリビング、キッチンなどの生活シーンや、通勤中など多目的に使える情報ビューワーとして展開され、電子書籍ビューワーやフォトフレームなどとしても活用できる。

 なお、コンセプトとしては家庭内での利用が想定されているが、開始当初は情報感度の高いユーザーをターゲットとしている。このため、端末のタッチ&トライはLinux Cafeなどを利用して実施される。古関氏は、情報感度の高いユーザーに留まらず、少し時間をかけて家族での利用などホームユースに広げていくとした。

 端末は当初1万台が用意される。Smartiaはサービスブランドとしてシリーズ化され、今後「LifeTouch」以外の端末も投入される。NECビッグローブでは、2011年度末までにSmartiaを10万台を販売したい考え。

端末仕様

 Smartiaは、OSとしてAndroid 2.1を採用する。OSのバージョンアップについては検討中としている。

 CPUはARM Cortex A8を搭載し、メモリはRAM384MB、ROM1024MB(システム領域含む)。ディスプレイは7インチ、800×480ドットのTFT液晶を装備する。抵抗膜式のタッチパネルディスプレイで、タッチした際の反応は良好な印象だ。ステレオスピーカーや、モノラルマイクを搭載する。

 通信機能はIEEE 802.11b/g準拠の無線LANとBluetooth 2.1+EDR、GPSなどに対応。無線LAN機能はNECの「らくらく無線スタート」機能やWPSに対応する。Bluetoothの対応プロファイルは A2DP/AVRCP/OPPとなる。加速度センサーや地磁気センサー、光センサーなども用意されている。

 また、端末背面部には300万画素、オートフォーカス付きのカメラも搭載されている。側面にはSDHCカードスロットも備えており、このスロットにはSIMカードスロットなども設けられている(Smartiaでは利用不可)。側面部にはタブレット端末には珍しくストラップ穴も用意されている。

 動画の対応形式はH.263、H.264、MPEG4、WMV9で、静止画はJPEG、GIF、PNG、音楽はMP3、PCM、AAC、 WMAに対応する。充電はUSB端子を利用して行う。バッテリー駆動時間は約8時間となる。大きさは約220×120×14mmで、重さは約370g。

ソフトウェア

 端末は基本的に横画面で利用する。ホーム画面など独自ユーザーインターフェイスは横画面用に開発されており、縦画面表示はできない。ただし、Android端末となるため、アプリケーションによって縦画面でも利用できる。

 カレンダーや占い、ニュース、ショッピング、Twitterなどのアプリケーションがプリセットされているほか、クラウド型の情報蓄積サービス「Evernote」がプリセットされる。プレミアム版を申し込むと、月額498円の利用料が1年間無料となる。

 プリセットされるandronaviでは、厳選された200本のアプリが紹介されるほか、電子書籍なども提供される。Androidの標準であるAndroid Marketも利用可能。

 このほか、BIGLOBE接続会員が「BIGLOBE Smartia Style」からSmartiaを購入する場合、インターネット接続やメールといった初期設定を行った上で出荷される。


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(津田 啓夢)

2010/11/25 19:34