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国内の電子書籍端末が2015年までに累計1400万台、野村総研が予測


株式会社野村総合研究所・主任コンサルタントの前原孝章氏
電子書籍コンテンツの市場規模予測と電子書籍端末の累積出荷台数予測

 株式会社野村総合研究所(NRI)は20日、国内における2010年から2015年までの電子書籍端末市場や電子書籍コンテンツ市場についての予測を発表した。

 NRIが毎年発表している「IT市場予測」の1分野として発表したもの。NRIによるアンケート調査などをもとに予測している。これによると、国内における電子書籍端末の累計出荷台数は、2010年の78万台が、2011年に280万台、2012年に580万台、2013年に900万台、2014年に1200万台に増加し、2015年には1400万台に達すると予測している。

 なお、電子書籍端末としては、AmazonのKindleやソニーのReaderといった電子書籍に特化した端末のほか、電子書籍専用ではないiPadなどのタブレット端末も含まれる。

 電子書籍コンテンツの市場規模(単年)は、2010年の850億円が、2011年に1200億円、2012年に1500億円、2013年に1800億円、2014年に2100億円と増加し、2015年には2400億円に達すると予測。出版市場の10%程度を占めるまでに成長するという。

 NRI主任コンサルタントの前原孝章氏は、電子書籍に特化した端末やiPadが市場投入されたという意味で2010年が日本における「電子書籍元年」だったことを認める一方で、携帯電話向けの電子書籍では日本が先行していたことを指摘する。すでに2008年から2009年時点で600億円規模の市場があったという。

 今後、携帯電話向け市場は順調に拡大するが、電子書籍端末向けコンテンツの市場も拡大。2400億円の大部分は携帯電話向けと電子書籍書籍端末向けで占められる。GALAXY Tabなどスマートフォンかタブレット端末か分類しにくい端末もあるとしながらも、電子書籍端末向けが半分を上回る程度とみている。携帯電話に比べ、電子書籍端末は購買意欲が高い層が利用するため一気に伸びるという。

 NRIのIT市場予測は、2000年以降発表しているもので、今年で10回目となる。電子書籍市場のほか、ブロードバンド市場やモバイル市場、各種インターネットビジネス市場、ハードウェア市場などについても2015年までの予測をとりまとめている。

 ブロードバンド回線の加入数は、2010年の3254万件から、2015年には3667万件に増加するとの予測だ。このうち光ファイバーは2669万件としている。モバイルコンテンツ市場は、2010年の5795億円が、2015年に6707億円へと緩やかに拡大すると予測している。ゲーム内で販売されるアイテムやSNSのアバターなどが急成長しているほか、今後は電子書籍の成長も期待されるという。ただし、これらエンターテインメント系は拡大するが、情報サービス系の市場は縮小し、長期的には成長が鈍化するとみている。

 IT市場予測の詳しい内容は、単行本「これから情報・通信市場で何が起こるのか〜IT市場ナビゲーター2011年版〜」として、12月22日に東洋経済新報社より発売される。


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(永沢 茂)

2010/12/20 16:15