「BingはGoogleの検索結果を利用している」Googleが公式ブログで指摘


「hiybbprqag」に対するGoogleの検索結果(上)とBingの検索結果(下)(Google公式ブログより)

 米Googleは1日、Microsoftの「Bing」がGoogleの検索結果を利用しているとして、確認のために実施していた実験の結果を公式ブログで公開した。

 Googleでは、「tarsorrhaphy」(まぶたの外科手術法の名称)という単語をミススペルした「torsorophy」の検索結果から、この問題に気付いたとしている。2010年夏の時点では、Googleの検索結果にはミススペルの補正機能により正しい綴りの単語による検索結果が表示されていたが、Bingでは結果が表示されなかったという。しかし、2010年夏の終わり頃には、Bingの検索結果でもミススペルを訂正したといった表記はせずに、Googleと同じ検索結果を返すようになったという。

 この例を発見してからGoogleでは数カ月に渡って注目したところ、Googleの様々なクエリーに対する検索結果が、後からBingでも表示されるようになる例が多数あったと説明。一般的なクエリーだけでなく、珍しいクエリーやミススペルのクエリー、Googleがアルゴリズムの間違いだと判断した検索結果についても、Bingに表示されるようになったとしている。

 こうしたことから、Googleでは仮説を検証するために実験を開始。「hiybbprqag」といった無意味な約100個の単語に対して、わざと無関係なサイトを検索結果として表示するように設定。20台のPCで、初期状態のWindowsにInternet Explorer 8(IE8)とBingツールバーをインストールし、IE8のSuggested Sites(おすすめサイト)を許可した上で、無意味な単語をGoogleで検索してその検索結果をクリックしたところ、2週間後にはBingにも同じ結果が表示されるようになったという。

 Googleでは、検索アルゴリズムの開発には年間数千人のエンジニアへの投資を行っており、競合相手とはこのような他社の結果をリサイクルしたものではなく、本当に新しい検索アルゴリズムで争うことを望んでいるとコメント。実験の結果を公表したのは、こうした行為をやめてほしいからだと説明している。

 これに対して、米MicrosoftもBingの公式ブログでコメントを発表。Bingでは1000以上の異なるシグナルや機能をランキングアルゴリズムに利用しており、匿名でのデータ提供を承認しているユーザーのクリックストリームデータもその中の小さな1つだ」と説明。「我々はすべてを顧客から学習している。Googleが示したケースは極端な事例で、我々がユーザーエクスペリエンスを改善するための1つの手法として顧客データを扱う方法を正確に描写していない」とコメントしている。


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(三柳 英樹)

2011/2/2 16:45