記事検索

「マジコン」販売に刑事罰、経産省の審議会が不正競争防止法改正を提言


 経済産業省は21日、ゲーム機で海賊版ソフトを動作させられる「マジコン」などのアクセスコントロール回避装置について、規制のあり方について議論を行なってきた小委員会の報告書を公開した。報告書では、不正競争防止法において規制対象とする回避装置の範囲を拡大するとともに、回避装置の販売など提供行為に対して刑事罰を導入することを提言している。

 政府の知的財産戦略本部で2010年5月に決定された「知的財産計画2010」で、アクセスコントロール回避規制の強化を行うことが指摘されたことを受け、経済産業省の産業構造審議会知的財産政策部会では「技術的制限手段に係る規制の在り方に関する小委員会」を設置。不正競争防止法における規制のあり方について議論を行なってきた。

 不正競争防止法では、コピーコントロールやアクセスコントロールなどを回避する装置について、対象となる範囲を「技術的制限手段を回避する機能“のみ”を有する装置等」と定めている。これは、規制を必要最小限の範囲にとどめることや、メーカーへの過度な抑制となることを避けるために設けられた規定だ。一方で、マジコンは海賊版ソフトの実行機能以外に、音楽や動画の再生、自作ソフトの実行といった機能も有しており、こうした他の機能を含む機器は、回避機能「のみ」を提供する機器ではなく、不正競争防止法の対象機器には該当しないとする指摘もある。

 小委員会ではこうした実態を踏まえて、規制をより適切で実効性のあるものとするため、不正競争防止法における機器の要件を「のみ」から「専ら(もっぱら)」に見直すことを提言している。

 また、回避装置の販売など提供行為については、現行法では差止請求権や損害賠償請求権などの民事的な救済にとどまっており、刑事罰の対象とはなっていない。これについても、回避装置は露天やネットショップ、オークションなどで販売されるなど、民事では相手方の特定も困難なケースが増えていると指摘。警察などの捜査機関に問題の解決を委ねるため、回避装置の提供行為について刑事罰を導入することが適切だとしている。

 現在の不正競争防止法の罰則は、営業秘密侵害行為が10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、その他の行為は5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金。

 経済産業省では提言を受け、不正競争防止法の改正案を国会に提出する方針。マジコンなどのアクセスコントロール回避機器に対する規制としては、財務省がアクセスコントロール回避機器を輸出入禁止品に追加するため関税法の改正案を国会に提出しており、文部科学省も著作権法の改正案を国会に提出する方針だ。


関連情報

(三柳 英樹)

2011/2/22 14:53