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Google、Chrome OS搭載PC「Chromebook」を6月15日発売〜まずは欧米7カ国で

8秒で起動、ソフトはウェブアプリ


 米Googleは11日、LinuxとChromeブラウザーをベースにした同社開発のOS「Chrome OS」を搭載したノートPC「Chromebook」を、6月15日に欧米7カ国(米国、英国、フランス、ドイツ、オランダ、イタリア、スペイン)で発売すると発表した。

 発売日に製品を供給するのは韓国のSamsung Electronicsと台湾のAcer。米国での販売は、Amazon.comとBest Buyが行う。数カ月後には販売対象国を拡大する予定。

 また、企業・教育機関向けのサポート付きパッケージも用意。1ユーザー当たりの月額費用は、企業向けが28ドルから、教育機関向けが20ドルからとなっており、ウェブベースの管理コンソールや年中無休の24時間サポートが提供される。

Samsungが供給するChromebook「Series 5」

「Series 5」の本体カラーは、「Titan Silver」と「Arctic White」をラインナップ

 Chromebookの一例として、Samsungが供給する「Series 5」は、Wi-Fi+3Gモデルが499.99ドル、Wi-Fiモデルが429.99ドル。本体サイズは約295×218×20mm(幅×奥行×厚さ)、重量が約1.5kg。12.1インチ液晶(1280×800)、フルサイズChromeキーボードとマルチタッチトラックパッド、Intel Atom N570 1.66GHzデュアルコアプロセッサー、16GBのSSD(mSATA)ストレージ、2GBのシステムメモリ、最大8.5時間稼働の6セルバッテリー、1メガピクセルのHDウェブカメラなどを搭載する。Wi-FiはIEEE 802.11b/g/n。

 Chromebookはネットワークに接続され、クラウド環境での利用が前提となる。WindowsやMac OS向けのソフトは動作しない。アプリケーションはHTML5などで開発されたウェブアプリケーションだ。これらのアプリはChrome Web Storeから簡単にChromebookに登録できる。また、Chromeブラウザーから一般のウェブアプリケーションを利用することも可能だ。

 一見不便に思えるこれらの特徴はメリットにもなる。例えば、自分のGoogleアカウントでログインしていれば、作業中のデータはすべてクラウドに保存されるため、端末を物理的に壊してしまった場合でも、別の端末でログインすれば、その場で続きを始めることができる。

 ネットワーク接続にはWi-Fiまたは端末によっては3G接続が用意されている。それでも多くのアプリケーションにはオフライン状態でも機能するよう開発することが推奨されている。例えば、メールアプリであれば、オフラインでもメールを書いたり、事前に読み込んだメールを読むことが可能であったり、ワープロであれば、ドキュメントの編集が可能ということである。こうした機能は、GmailやGoogle Docsなどの利用者にはなじみがあるといえるかもしれない。

Acerが供給するChromebook

 既存のPCとの違いはこれ以外にもある。Chromebook端末は8秒で起動し、即座に終了させられる。消費電力は少なく、1回の充電で1日利用できるとされている。通常のPCではわずらわしいアップデート作業は自動で、Chrome OSも利用アプリもいつも最新の状態に保たれる。

 また、Chrome OSは設計段階からマルウェアやウイルス対策が前提となっているため、各ブラウザーのタブやアプリはサンドボックスで分けられており、互いに影響し合うことがない。たとえ損傷を受けた場合にも、端末の中にある正規のバックアップ、またはそれも損傷した場合にはネットワーク上にある正規のバックアップから即座に復旧できるという。

 端末には、USB 2.0ポート、メモリカードスロットが用意されている。また、外部モニターやプロジェクターの接続、イヤホン、マイク、ヘッドセットの接続が可能だ。プリンター接続端子はなく、すべてクラウドを通してGoogle Cloud Printを利用することになる。

 企業・教育機関向けには、管理対象のChromebookを一括管理できるウェブベースの管理ツールが提供される。全アカウントの管理、端末の設定、ポリシーコントロール、アプリのインストールなどを行える。

 さらに、ChromebookではWindowsやMac OSのアプリケーションを動作させることはできないが、仮想化技術を利用する「回避」方法も開発中だ。米Citrixは、HTML5版の「Citrix Receiver」を開発しており、これをChrome Web Storeからインストールすることで、特殊なアプリケーションをChromebookからでも利用できるようにする。Googleでも「Chromoting」という無料サービスを開発中で、リモートでPCやMacにアクセスできるようにする計画だ。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/5/12 11:45