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関西で発生のソフトバンク通信障害は内部の犯行、被疑者は逮捕


 ソフトバンクモバイルは、5月25日〜26日にかけて関西地域で発生したネットワーク通信障害について、ソフトバンクモバイルの業務委託先の元社員が、回線設定データを改ざんし通信障害を発生させた容疑で逮捕されたと発表した。

 ソフトバンクでは、障害から復旧した翌日の5月27日に、障害の原因がソフトウェアであることを明らかにしていた。外部から不正にアクセスされた形跡がなかったことから、5月26日には人為的な事故の可能性があるとして大阪府警に相談、6月6日付で被害届を提出した。同社は、捜査協力の観点から詳細の公表を控えてきたとしている。

 逮捕された被疑者は、ソフトバンクモバイルの業務委託先の元社員。関西ネットワークセンターにて、基地局とネットワークセンターを結ぶ伝送装置のデータ設定業務に従事していたという。この元社員は、業務に使用していた制御用端末に、3月8日〜9日にかけて不正プログラムを入力、ATM伝送装置の回線設定データを改ざんし、基地局を停波させた疑いが持たれている。元社員は、3月15日に体調不良を理由に業務委託先を退職した。業務委託先での勤務態度は普通だったという。

 元社員が入力した不正プログラムは5月25日に作動するよう設定されており、この人為的な事故により、5月25日には大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県の一部地域でネットワーク通信障害が発生。同社の携帯電話サービスが利用しづらい状況となり、障害発生時で最大約7万2700人が影響を受けた。停波した基地局は2034局、停止した伝送装置は648カ所におよび、完全復旧までに最大約40時間を要するなど、大規模なものとなった。

 ソフトバンクモバイルでは、従来よりネットワークセンターの入口で、監視員による入館者の本人確認を実施。被疑者の元社員が入室していた制御用端末のあるオペレーションルームは、セキュリティカードを所持している社員のみが入室できるようになっていたという。

 同社は再発防止策として、重要な通信設備のある場所の入室者および操作者を確認できるよう、監視カメラの設置台数を現在の252台から1170台まで増設する予定。また、操作履歴を収集する端末を拡大し、センター内の保守運用端末の操作履歴についても収集する対策を施した。これにより、操作の追跡が容易になり、周知することで不正操作を抑止するとしている。

 同社は今回の発表の中で、「当社施設内でこのような事態が発生したことは誠に遺憾であり、当社では本件を厳粛に受け止め、再発防止策を完遂していくことで、信頼回復に努めてまいります」とコメントしている。

 大阪府警によれば、元社員の男(31歳)は、電子計算機損壊等業務妨害(刑法第234条の二)の容疑で7月8日に逮捕された。元社員は逮捕事実を認めており、単独犯である旨を供述しているという。また、不正プログラムの起動日を5月25日に設定した理由については、好きだった女性の誕生日を示唆しているという。詳しい犯行動機については現在捜査中。


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(太田 亮三)

2011/7/8 18:21