Mozilla、携帯向けオープンソースOSプロジェクト「Boot to Gecko」開始


 米Mozillaの4名の開発者は26日、携帯端末向けオープンソースOS「Boot to Gecko」プロジェクトの開始を発表した。

 Boot to Geckoでは、携帯端末で起動でき、ウェブアプリケーションをネイティブアプリと同程度の品質で動作させられるようなオープンソースOS開発を目指す。プロプラエタリでベンダーロックされた環境を置き換えることのできる、オープンなプラットフォーム開発を目指している。

 このプロジェクトは、Mozillaの開発者向けメーリングリストで発表された。送信者はMozillaのリサーチャーであるAndreas Gal氏。他にBrendan Eich氏、Chris Jones氏、Mike Shaver氏が共同で署名している。現在、Boot to GeckoのためのページがMozillaWikiに設けられたほか、Github中でリアルタイムにソースコードを公開していくとしている。

 このプロジェクトではまず、携帯の基本的ないくつかの機能、例えばテレフォニー、SNS、カメラ、USB、Bluetooth、NFCなどをウェブから利用できるようにするためのウェブAPIを開発する。そして、これらの機能をウェブページやウェブアプリから安全に使用するための特権モデルを開発する。ブート部分に関しては、Android互換端末で動作できるよう、Androidのカーネル、ドライバー、libcなど低レベル基本部分のみを利用し、そのほかの例えばJava関係やグラフィックス関係APIなどを利用するつもりはないとしている。さらにこのOSの能力を見極めるために、適切なアプリを開発または移植し、その後の開発計画につなげていく。

 携帯端末をターゲットに設定した理由は、Androidと関連してオープンソースの良質なドライバーが入手しやすいためだ。デスクトップPCに向けて一部対応する予定はあるが、当面の優先順位として、ドライバーなどのこうしたリソースが豊富にそろっているAndroid互換端末をターゲットにすることにしたという。

 このプロジェクトはほとんど開始されたばかりであることから、Mozilla全体から、またMozilla以外からも、貢献できるすべての人からの貢献とフィードバックを求めているとしている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/7/26 11:42