「ServersMan」をスマホアプリの実行環境として解放、開発者などにAPI提供
フリービット株式会社は13日、iPhone/Android向けスマートフォンアプリの独自マーケットを構築できるソリューション「ServersMan Market Maker」を、アプリデベロッパー/パブリッシャー向けにライセンス提供すると発表した。
ServersManは、あらゆる端末をウェブサーバー化するソフトとしてフリービットが開発・提供しているもの。各種OS/プラットフォームに対応しており、iPhone向けには「ServersMan@iPhone」、Android向けには「ServersMan@Android」というアプリがある。
従来は主にクラウドストレージ的な機能を提供していたServersManだが、今回発表したServersMan Market Makerは、ServersManを「アプリの実行環境」と位置付け、その上で動作するソーシャルアプリやゲームアプリをデベロッパーが独自に開発して配布できるようにするものだ。
それらのアプリはServersManのウェブサーバー上で動作する“ウェブアプリ”であるため、HTML5やJavaScrictなどで記述可能。低コストかつ短期間で開発できるとしている。また、ServersManがミドルウェアとしてOSとの間に介在するため、1つのプログラムコードでマルチデバイス展開が可能になるというメリットもある。
さらに、OS上で直接実行されるネイティブアプリでしかアクセスすることのできないOSの各種APIを、ウェブアプリから利用できるウェブAPI「ServersMan API」を提供。これを介することで、ウェブアプリでありながら、スマートフォンのGPSやローカルストレージ、電話帳などとも簡単に連携可能だという。例えば、電話帳をSNSのソーシャルグラフとして活用するなど、これまでネイティブアプリでなければ実現が難しかったような機能がウェブアプリで実現できるとしている。
「ServersMan Market Maker」による独自アプリマーケットの開発例 |
ServersMan Market Makerで開発したウェブアプリは、各デベロッパー/パブリッシャーの独自ブランドのマーケットを通じて販売できる。このマーケットじたいは、1つのiPhone/Androidアプリとして配布し、そのマーケットアプリ上で個々のウェブアプリを配信するかたちだ。有料アプリの料金は、App Store/Android Marketの課金システムを利用できる。ウェブアプリのホスティング場所や配信システムは、仮想データセンターである「フリービットクラウドVDC」上に用意される。
なお、ServersMan Market Makerで開発・配信するウェブアプリは、端末にインストールして使う仕組みで、ローカルで動作させることができる。また、ServersManに実装されているIPv6技術により、アプリ更新のプッシュ通知や、アプリ同士のP2P通信なども可能だという。
ServersMan Market Makerはスマートフォンにとどまらず、ネットワーク家電における活用も可能。フリービットでは家電など独自APIの開発にも対応するとしており、機器から得られる情報にネットワーク経由でアクセスできるアプリなども考えられるとしている。
フリービットでは、ServersMan Market Makerによりアプリデベロッパー/パブリッシャーが自社アプリの独自マーケットを構築できるほか、スマートフォン/タブレット端末メーカーが自社製品向けの専用アプリマーケットを構築したり、フリーの開発者が低コストでアプリを流通できる手段にもなると説明している。
「ServersMan Market Maker」の対象とする市場 |
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(永沢 茂)
2011/9/14 06:00
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