NAVERまとめでAdSense広告配信停止、アダルト・著作権侵害コンテンツが原因


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 ネイバージャパン株式会社は27日、特定のテーマに沿ったリンクや画像、動画などを集めた“まとめページ”を作るサービス「NAVERまとめ」において、Google AdSenseの広告配信が近日中に停止されることを明らかにした。成人向けコンテンツや著作権侵害コンテンツなど、AdSense広告のガイドラインに違反するまとめページがあり、Google側が広告配信停止を通達した。

 NAVERまとめでは2010年11月以降、すべてのまとめページにAdSense広告を掲載しており、まとめページの作成者に対して、広告収益を全額還元するインセンティブプログラムを提供してきた。

 しかし、2011年3月に「アダルト/性的補助およびフェチを含むコンテンツ」が見られるとして、Google側からガイドライン違反の警告を受け、4月20日にAdSense広告の配信が停止。ネイバージャパンの対応で4月30日に広告配信が再開したものの、7月には再び同様の改善要請が相次いでいた。

 ネイバージャパンでは、約30万本のまとめページをチェックし直す作業を繰り返してきたというが、8月15日にYouTubeで公開されているテレビ番組など、著作権侵害コンテンツへのリンクを含むまとめページを改善してほしいとの打診がGoogleより寄せられ、9月13日には著作権侵害コンテンツを理由に「広告配信停止の可能性が上昇した」との報告があった。

 これを受けてネイバージャパンは9月13日、著作権を侵害する恐れがあるコンテンツへのリンクを含むまとめページについて、自主的に一律で広告掲載を停止したが、9月20日にGoogleより「アカウント停止の危険性が非常に高い」という通知があり、翌21日にはアカウント停止を回避するために、AdSense広告の配信を停止するという連絡があったとしている。

 アカウント停止の危険性が高まった理由についてネイバージャパンは、成人向けコンテンツや著作権侵害コンテンツなど、AdSenseのガイドラインに違反するという理由で、Googleから警告を受けたまとめページが累積したためだと説明。広告の再配信については、「これまでの状況から再審査による再配信は難しい」とみている。

 その一方で、AdSenseのガイドラインについては「非常に抽象的な表現で構成されている」とも指摘。例えば、水着を着たグラビア女性の写真を掲載するまとめページが「アダルトコンテンツ」と警告されるなど、ネイバージャパンとして問題がないと判断をしても、後からガイドライン違反の警告を受けるケースも非常に多かったとしている。

 Googleからの通達によれば、AdSenseの広告配信が停止するのは9月23日から26日ごろとされているが、27日夜の時点では配信されている。ネイバージャパンは広告停止を確認した翌営業日より、親会社NHN Japanグループ会社であるジェイ・リスティング株式会社の広告を掲載し、これまで同様に広告収益の分配を行っていく。

 ただし、ユーザーへの分配額はAdSense広告と比べて大幅に減少することが予測されるという。このため、今後はより収益力の高い広告を導入したり、広告面を増やすことを検討する考え。なお、従来から提供している「Amazon アソシエイト」のアフィリエイト広告については、引き続き利用できる。

 AdSense広告配信停止の影響についてネイバージャパンは、「インセンティブだけが目的のユーザーは、作成本数が減るかもしれない」と説明する一方で、「まとめる行為自体の楽しさやキュレーションという新しい情報発信方法に対する興味関心を抱いているユーザーも多い」としており、影響は限定的だとみている。


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(増田 覚)

2011/9/27 22:31