ソニー、電子書籍端末「Reader」新モデルを発表、3G+Wi-Fi対応モデルも


Sony Reader

 ソニーは29日、電子書籍端末「Reader」の新モデルとして、3G+Wi-Fiモデル「PRS-G1」とWi-Fiモデル「PRS-T1」の2機種を発表した。直販サイト「Sony Style」での販売価格は、「PRS-G1」が2万5800円、「PRS-T1」が1万9800円。発売日は、「PRS-G1」が11月25日、「PRS-T1」が10月20日。

 ソニーの「Reader」はこれまで、電子書籍の購入はPCで「Reader Store」にアクセスして行い、ReaderにはUSBでデータを転送する形となっていた。今回の新モデルは通信機能が搭載されたことで、本体から直接電子書籍の購入が可能となった。また、ウェブブラウザーも内蔵し、各種サイトへのアクセスも行える。

3G+Wi-Fiモデルの「PRS-G1」Wi-Fiモデルの「PRS-T1」

 3G回線はKDDIのau通信網を利用し、回線料金は最大2年間無料となる「Reader Storeプラン」が用意される。Reader Storeプランは、Reader Storeでの電子書籍の購入のみに3G回線を利用できるプランで、申し込み1年目は無料。1年目に1冊以上の電子書籍を購入すると2年目も無料となる。3年目以降の料金は年額1050円の固定料金。Reader Storeへのアクセス以外に、各種ウェブサイトへのアクセスも行える月額580円固定の「Webアクセスプラン」も用意される。

 無線LANは、IEEE 802.11b/g/nに対応。暗号化方式はWEP/WPA/WPA2で、WPSによる接続にも対応する。

3G回線とWi-Fiに対応し、本体から直接電子書籍の購入が可能に3G回線料が最大2年間無料の「Reader Storeプラン」が用意される

 「PRS-G1」「PRS-T1」は両機種とも、6型(800×600ドット)・16階調の電子ペーパーを搭載。タッチ操作に対応する光学式クリアタッチパネルを採用し、ピンチ操作などにも対応。内蔵メモリは約2GBで、microSDカードスロットを搭載する。カラーは「PRS-G1」がブラック/ホワイトの2色、「PRS-T1」がブラック/ホワイト/レッドの3色がラインナップされる。

 本体サイズは、「PRS-T1」が約110×173.3×9.6mm、「PRS-G1」が約110×173.3×10.1mm。重量は、「PRS-T1」が約168g、「PRS-G1」が約185g。同型の前モデルと比較して約47g軽量化(PRS-T1の場合)するとともに、本体サイズも幅を約10mm縮小し、新書とほぼ同サイズとした。

 タッチパネルにより、指や付属のタッチペンにより電子書籍のページに書き込みが可能。また、電子書籍中の単語を範囲選択して長押しすると、本体内蔵辞書で単語の意味が表示されるとともに、ウェブ検索用のボタンも表示される。内蔵辞書は、従来機種では英和辞典の「ジーニアス英和辞典 第四版」と英英辞典の「New Oxford American Dictionary Second Edition」だったが、新たに国語辞典の「大辞林 第三版」が追加された。

Reader Storeにアクセスした画面本文中の単語を内蔵辞書やウェブ検索で調べられるウェブブラウザーも内蔵する

 PCから書籍コンテンツをReaderに転送するソフト「eBook Transfer for Reader」については、新たにMac OS Xにも対応。PC側の対応OSは、Windows 7/Vista/XP、Mac OS X 10.5.8以降となった。

 内蔵充電池による動作時間は、1日60分読書した場合で「PRS-G1」が最長6週間、「PRS-T1」が最長4週間(いずれもワイヤレスオフ時)。対応する電子書籍フォーマットは、配信コンテンツ(.mnh)、XMDF、ドットブック、EPUB、PDF、テキスト。

ソニーの野口不二夫氏

 29日に行われた製品発表会で、ソニーのデジタルリーディング事業部 事業部長を務める野口不二夫氏は、「新モデルは本を読む上で便利な機能、日本向けの機能を入れた製品」と説明。本体を軽量・小型化することで長時間読書する人に使いやすくするとともに、国語辞典も搭載。3G+Wi-Fiモデルも、今回はまず日本オリジナルモデルとして投入したとして、日本市場で寄せられたユーザーからの多数の要望を取り入れたと語った。

 また、本体に内蔵される電子書籍の「お試し版」についても、既存作品10点、Reader Store初登場となる作品5点、Reader Store先行販売となる作品16点を揃え、購入後にすぐに楽しめるだけでなく、お試し版からそのまま作品も購入できるようになった点をアピールした。

 今後については、EPUB3への対応の準備を進めており、年内か年明けをめどに無償アップグレードの形で機能を追加したいと説明。また、楽天の「Raboo」、紀伊國屋書店の「BookWeb Plus」といった他の電子書籍ストアへの対応も予定しているとした。


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(三柳 英樹)

2011/9/29 15:39