米MS、Xbox向けの有料テレビ番組配信を発表、リビングルームの中心に進出


 米Microsoftは5日、Xbox 360上で欧米20カ国以上・40社のテレビ番組を視聴できるサービスを、今年のホリデーシーズンに合わせて開始すると発表した。提携するテレビ局には、Comcast、BBC、Telefonica、ZDFなど、世界を代表するテレビ局・ケーブルテレビ企業が含まれている。

 この提携によって、Xbox 360のXbox LIVEエンターテインメントサービスを通じ、これまでのゲーム、インターネット、ネット動画などとあわせて、有料テレビ番組をも見られるようになる。Xbox 360コントローラーだけでなく、Kinectによるジェスチャー操作、Bingによる音声認識、Windows Phoneによる操作も可能だ。

 このサービスにあわせ、Xbox LIVEでは新デザインのダッシュボードが発表された。操作にはXboxコントローラーに加えてKinectも使用できる。Kinectのジェスチャーを使えば、ユーザーはリモコン操作を覚えたり、多数のリモコンを管理する必要がなくなる。それだけでなく、Bing音声認識を利用することによって、「Xbox、Bing、テレビ番組名」というように口に出すだけで、番組を表示させることができる。

Xbox LIVEダッシュボード
Bing検索

 また、Windows Phone専用アプリ「Xbox Companion」も発表。このアプリからはXbox LIVEマーケットプレースのテレビ番組、ゲーム、映画、音楽カタログを検索できるだけでなく、視聴中のコンテンツ内容を表示させることができる。さらにXboxで番組視聴を開始するとコントローラーモードに変わり、Windows Phoneをテレビのリモコン代わりに使用できる。Xbox CompanionはWindows Phoneユーザーに無料で提供される。

Xbox Companion(Windows Phone公式ブログより画像転載)

 Microsoftはすでに2011年6月のE3展示会において、Xboxからテレビ番組を視聴できる計画について明らかにしていたが、詳細については説明していなかった。

 さらに言えば、MicrosoftがXbox開発計画を立案した際に、同社はリビングルームに進出することを目的としていた。これまでXboxはゲーム端末として知られていたが、ゲーム機としてリビングに進出して足がかりを築いたことによって、今度はリビングルームで提供するあらゆるエンターテインメントを、Xboxを通じて提供するという同社の当初のビジョンにまた一歩近づくことになる。

 今回の発表によって、Xbox 360上では、テレビ番組配信サービス「Hulu+」や、ネット映画配信サービス「Netflix」などとも同じコンソール上で競合することになる。特に最大手のNetflixはネット配信事業に力を入れるため、最近DVDレンタル事業を別会社に移した結果、多くのユーザーや株主から批判を浴びてしまい、苦しい立場にある。今回のMicrosoftの発表により、Netflixにも大きな影響が出る可能性もある。


関連情報


(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/10/6 12:35