総務省がグーグルに行政指導、ストリートビューの無線LAN通信無断記録で

日本でも2007年12月から通信を収集・記録


ストリートビューの撮影車(写真は日本で使われていた車両)

 総務省は11日、グーグル株式会社がGoogleマップの「ストリートビュー」機能のために道路周辺映像を撮影する際に、無線LANを経由した通信を受信し、その一部を記録した行為が電気通信事業法第4条に規定する「通信の秘密」の侵害につながるおそれがあったとして、グーグルに対して文章による指導を行い、再発防止策や状況についての報告を求めたと発表した。

 米Googleは2010年5月14日、ストリートビューの撮影車が街中に存在する無線LAN経由の通信内容の一部を誤って収集していたことを公表。これを受け、総務省では日本のグーグルに対して、事実関係の報告を求めていた。

 グーグルが総務省に報告した内容によると、日本国内でも2007年12月から撮影車による道路周辺映像の撮影と同時に無線LANを経由した通信を受信し、その一部を記録していた。グーグルでは、誤って通信本文を受信、記録したものであり、閲覧や使用は行なっていないことや、判明後直ちに米Googleにおいて厳重な管理下に置き、アクセス制限をかけて保管していること、撮影車による無線LAN経由の通信の収集は停止したとしている。

 総務省では、電気通信事業者が提供する無線LANを経由した通信を受信し、その一部を記録した行為は、電気通信事業者法第4条に規定する通信の秘密の侵害につながるおそれがあったと認められるとして、再発防止と法の遵守をグーグル株式会社に対して文章で指導。現在サーバーに保管されている記録の削除と、再発防止および今後の法令遵守の方策の策定を早期に実施することと、この件に関する経緯や対応状況、再発防止策などの日本語による周知を行うよう求めている。


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(三柳 英樹)

2011/11/11 16:08