米Amazon、「Kindle Fire」のソースコード公開、分解は簡単でハッカーも注目


 米Amazon.comは16日、同社が出荷を開始したばかりのタブレット端末「Kindle Fire」のソースコードを同社ウェブサイトにて公開した。

 公開直後には、早くもroot権限取得に成功したとの報告がネット上に流れている。また、Kindle Fireの分解が非常に簡単だと判明し、199ドルという安価な価格と、ソースコードを入手できることから、早くもハッカーたちの興味を引いている。

 Amazonが公開したソースコードは約800MBで、Androidなどオープンソースライセンスに関係する部分のみの公開となっている模様だ。すでにAmazonはKindle従来機種のソースコードも、オープンソースライセンスに関係する部分のみに限って公開しており、Kindle Fireだけが特別というわけではない。今回のソースコードに関しても、Amazon固有のコードに関しては含まれていないと思われ、AmazonがどのようにAndroidを改変または改良・改善して利用したかが注目される。

ソースコードのダウンロードページ

 Kindle Fireのソースコードが公開されてからわずかな時間で、root権限取得に成功したとの報告がある。これに関しては、9月に米大手PC雑誌「PC Magazine」の取材に対して、Amazon Silk Browserプロジェクトディレクターが、同社としてroot権限取得は当然行われるだろうし、ユーザーの自由との立場を明らかにしていたことから、端末出荷が待ち望まれていた。Appleは、iPhoneやiPadのroot権限取得を厳しく制限していたことから、Amazonの姿勢は少なくともハッカーたちには歓迎されている。

 今回のroot権限取得も、公開されているツールを利用することで、極めて簡単に行うことができたとの報告もある。今後、カスタムファームウェアが公開されることが予想されるが、Amazonの科している制限を回避する方法を見いだせるかどうかに注目が集まりそうだ。

 また、15日には、分解修理サービス企業のiFixitが、Kindle Fireの分解手順をネット上に公開している。同社はiPhoneやiPadなどに関しても同じことを行っており、新端末が公開される度の恒例だ。

 同社によれば、Kindle Fireの分解は非常に簡単で、修理も簡単に行えそうだとみている。例えば、古くなったバッテリーの交換なども容易に行える可能性があるという。

 Kindle Fireは199ドルという入手しやすい価格である上、デュアルコアプロセッサー、8GBメモリなどハードとしての魅力もあり、さまざまなアプリが存在するAndroidを採用していることから、タブレット端末ハッカーたちの目にも極めて魅力的な端末と映っているようだ。

Kindle Fireを分解した状態(iFixit公式ブログより画像転載)




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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/11/17 11:52