Facebook/Twitterアカウント保有者は、業務と関係ない記事も見てしまう傾向


 ネットスター株式会社は8日、企業の従業員のインターネット利用状況についてアンケート調査した結果を発表した。FacebookやTwitterの個人アカウントの有無と、勤務時間中の業務外ウェブ利用に関係性が見られたという。

 調査は6月28日から30日まで、第8回「組織のインターネット管理実態調査」として実施したもの。株式会社マクロミルに委託してウェブアンケートを行い、職場のPCでインターネットを利用している824人から回答を得た。

 業務に関係するニュースや調べ物に関するサイトを閲覧している時、ついついやりがちなこと(“つい脱線型”の業務外ウェブ閲覧)をたずねる設問で多く挙がったのは、「気になるニュースもクリックしてしまう」(45.5%)、「興味が湧いて必要以上に調べてしまう」(40.2%)、「本来の目的とは異なる検索結果もクリックしてしまう」(39.0%)などだった。

 さらに、ランチ情報を検索するなど“目的達成型”の業務外ウェブ閲覧の経験では、「業務と無関係な最新ニュースを確認」(49.3%)、「個人的に気になる地域の天気情報を確認」(37.0%)、「終業後の個人的な予定に関する場所(店)や行きかたなどを検索」(24.3%)などが多かった。

 一方、“つい脱線型”の業務外ウェブ閲覧について当てはまるものがないとの回答は36.5%、“目的達成型”で37.5%だった。裏返せば、6割以上の従業員が業務外ウェブ閲覧を行っていることになる。

 なお、これらは「定時時間内」の数字であり、「休憩時間」になると、業務外ウェブ閲覧の経験者の割合は“つい脱線型”“目的達成型”ともに各項目で上昇する。特に「気になるニュースもクリックしてしまう」「本来の目的とは異なる検索結果もクリックしてしまう」「業務と無関係な最新ニュースを確認」などは6割前後に達する。

“つい脱線型”業務外ウェブ閲覧経験“目的達成型”業務外ウェブ閲覧経験

 今回の調査報告では、こうした業務外ウェブ閲覧の経験について、FacebookまたはTwitterの個人アカウントの保有者(241人)と非保有者(583人)に分けた集計も出しているのが特徴だ。その結果、“つい脱線型”“目的達成型”のそれぞれ上位5項目の業務外ウェブ閲覧行動すべてで、アカウント保有者の方が業務外ウェブ閲覧の経験率が高くなっている。

Facebook/Twitterアカウントの有無による“つい脱線型”業務外ウェブ閲覧経験の比較Facebook/Twitterアカウントの有無による“目的達成型”業務外ウェブ閲覧経験の比較

 この結果からは、ソーシャルフィードに含まれているリンクからニュース記事などへアクセスしているようなパターンが思い浮かぶが、今回の調査では、そもそも勤務時間中にFacebookやTwitterを利用しているかどうかといった設問はなく、Facebook/Twitterの利用と業務外ウェブ閲覧との因果関係まではわからない。逆に、もともと情報収集などでウェブ利用に積極的な層の従業員が、結果としてFacebookやTwitterを使っていたという見方もできるかもしれない。

 いずれにせよ、Facebook/Twitterアカウント保有者の方が業務外ウェブ利用をする割合が高く、また、それは閲覧だけに限らないことも調査結果から示されている。勤務時間中のSNSへの書き込み経験者はアカウント非保有者で1.4%なのに対して保有者では23.7%、掲示板への書き込み経験者も非保有者で7.9%なのに対して保有者では17.8%に上る。プライベートなウェブメールの送受信経験でも、非保有者で32.6%なのに対して、保有者では51.0%と差が表れている。

 さらに今回の調査では、フィルタリングを導入している企業のシステム管理者824人にもアンケートを行い、勤務先企業で取得しているウェブ閲覧ログの内容を聞いている。これによると、81.3%が「アクセスしたサイトのURL」、50.4%が「ウェブメールの送付内容(メール本文)」および「ウェブメールの送付内容(添付ファイル)」、39.9%が「ストレージサイトなどへアップロードしたファイル」、33.6%が「掲示板など、誰でも書き込みができるサイトへの書き込み内容」、31.3%が「FacebookやTwitterなどのSNSサイトへの書き込み内容」を挙げた。

 ログを取得している企業での活用法として多かったのは、「インシデントが起こった際の証拠として」(59.0%)や「アクセス制限ルールの見直し資料として」(49.4%)だった。また、ログレポートを活用して実際に問題行為を発見し、問題を解決したことがあるとした企業は42.8%だった。

企業で取得しているウェブ利用ログログレポートの活用内容




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(永沢 茂)

2011/12/9 06:00