全国数万軒のお店の中を「ストリートビュー」のように歩き回ることが可能に

「Google おみせフォト」がパワーアップ


 グーグル株式会社は9日、飲食店をはじめとする各種店舗内の360度パノラマ写真を撮影・公開するサービス「Google おみせフォト」において、店の中を「ストリートビュー」のように歩き回って見られるようになったと発表した。

おみせフォトの例(Google Japan Blogより画像転載)

 おみせフォトは、すでに5月より試験的に公開していたもの。ただし、店内に一歩入った場所から360度見回したパノラマ写真が見られるようになっているようなものがほとんどであり、店の雰囲気を確認することは可能だったが、一部を除いて店の奥まで詳しく見られるわけではなかった。

 それが今回、店内の複数の場所で撮影したパノラマ写真も公開され、ストリートビューに似たユーザーインターフェイスで店内を行き来しながら見て回ることができるようになったかたちだ。

 例えば広いレストランでもテーブルの配置や個室の有無などを詳細に確認できる。東京・上野のアメ横の衣料品店や高円寺の古本屋なども公開されており、天井まで埋め尽くされた商品や本棚の間を縫って店の中を歩き回る雰囲気が味わえる。

 店の外にも出られるようになっており、商店街や飲み屋の連なる路地など外から入り口の様子を確認することも可能だ。テナントビルに入居しているなど、道路に直接面していないような店も、階段やエレベーター経由で表まで出られる。

 ただし、歩き回れるのは店の前までで、Google マップで提供している公道のストリートビューとはつながっていない。おみせフォトが公開されている店から近所の別の店まで歩いて行って入店したり、あるいはストリートビュー内で見つけた気になる店のおみせフォトにシームレスに移動するといったことは残念ながらできない。

おみせフォトギャラリー

 おみせフォトは、グローバルでは「Business Photo」という名称で展開しているサービスで、日本のほか、米国、オーストラリア、ニュージーランド、英国、フランス、韓国で提供済み。具体的な数字は公表していないが、世界で数万店舗が公開されているという。日本の店舗は、このうちの2~3万店ほどとみられる。

 おみせフォトは、各店舗の情報がまとまったページである「プレイスページ」から閲覧可能だ。また、おみせフォトの一部を集めたページ「おみせフォトギャラリー」も開設されており、地域やジャンルで検索できる。飲食店や食品・衣料・雑貨・インテリアなどの小売店のほか、美容院、ホテルや旅館、ペンション、教会など、幅広いジャンルの店舗がある。

 東日本大震災を受けてグーグルが取り組んでいる「東日本ビジネス支援サイト」の撮影で訪問した東北の店舗も多数ラインナップされているとしており、仙台の牛タンや盛岡の焼き肉・冷麺のお店も含まれている。

東北エリアのおみせフォトの例(岩手県盛岡市のじゃじゃ麺店)




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(永沢 茂)

2011/12/9 17:44