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ダイヤル音「ピポパ……」で近接通信できるアプリ、ニッポン放送が新会社


 株式会社ニッポン放送は、スマートフォンアプリ「Toneconnect」の普及を目指す新会社「株式会社トーンコネクト」を設立したと発表した。同アプリは、プッシュフォンの「ピポパ……」というダイヤルトーン(Dual Tone Multiple Frequency:DTMF)を鳴らすことで、スマートフォン同士で近接通信できるアプリ。URLやテキストを共有できる。Android 2.1以上とiOS 4.3以上に対応しており、それぞれGoogle Play(旧Android Market)とApple App Storeから無料でダウンロードできる。

 Toneconnectでは、共有したいURLを、8〜10音のDTMFで構成される「tcode」というIDに変換。送り手側のスマートフォンでこの音列を鳴らし、受け手側のスマートフォンで聞き取ることで、そのURLが受け渡しされる仕組み。tcodeの音列は、時間にして2〜4秒ほどだ。

 ToneconnectをインストールしたAndroidスマートフォンのOSからは、同アプリが共有ツールの一種として認識される。ウェブブラウザーをはじめとしたアプリの共有・シェアメニューから、赤外線通信やBuletoothなどと並列でToneconnectを選択できるようになる。受け手側は、Toneconnectを起動しておくことで、tcodeを認識し、元のURLに変換する。

共有ツールの選択画面(Android版) tcodeの送信画面(Android版)

 音を介すことで、Android端末とiPhoneの間でも通信できるほか、スマートフォンならば通常搭載されているスピーカーとマイクを使うため、NFCなどとは異なり専用のハードウェアを必要としないことも特徴。また、1対1の通信にとどまらず、例えばコンサートやセミナーなどの会場にいる多数の参加者のスマートフォンに対して、拡声器を使って一斉にURLを送ったり、さらにはラジオやテレビのCMなどでよく使われる「続きはウェブで」の誘導先URLを放送で流すことも可能だとしている。

 なお、DTMFは16通りしかないため、これを10音並べたとしても、URLなどの文字列を格納するほどの容量はない。音でやりとりするのはあくまでもtcodeと呼ばれるIDのみ。URLやテキストの実体は、このIDに基づきToneconnectのサーバーを介してインターネット経由で送受信されている。

 このようにIDを音に変換してデータをやりとりするアプリは他にもあるが、ToneconnectでDTMFを使った最大の理由は、「世界中で誰もが電話で使われる音だと認識できるから。この音を電話機に聞かせると、昔は電話がかけられたが、今はURLに接続できるという、とても近いイメージを持っているということ」(トーンコネクト)。また、ローファイであるがゆえに放送などで流すことが可能である点も挙げている。

 Android/iOSアプリのほか、APIも公開しており、他のアプリから利用したり、ウェブブラウザーにtcode変換機能を追加するアドオンの開発などにも活用可能だ。

送信画面(iOS版) 受信画面(iOS版)

 新会社は、同アプリを開発した加畑健志氏の有限会社アドリブとの共同出資により、2月20日付で設立した。3月9日から本格的に活動を開始するとしており、まずは同日夜22時から放送するラジオ番組「オールナイトニッポン GOLD app10.jp」において、Toneconnectの実証デモを公開生放送する。

 同様の公開デモは昨年11月にも、Androidユーザー約50人をニッポン放送のスタジオに集めて行われたが、今回はiOS版も2月にリリースされたことを受け、Android版との機種の壁を超えた共有の様子を伝えるという。さらに、放送を通じてもデータが伝わることも証明したいとしており、同番組パーソナリティの吉田尚記氏(ニッポン放送アナウンサー、トーンコネクト代表取締役CMO)は、ラジオの前の一般のリスナーでも楽しめるのではないかとアピールしている。


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(永沢 茂)

2012/3/7 16:48