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真のソーシャルコマース目指す、「mixiモール」が共感消費を生み出す仕掛け


 株式会社ミクシィと株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)が21日、SNS「mixi」においてソーシャルコマースサービス「mixiモール」を開始した。仲の良い友人とのつながりを生かした「共感消費」を生み出すという同サービスの特徴について、ミクシィの川岸滋也氏(ユーザーサービス本部コマース部部長)が語った。

共感消費を生み出す仕掛けとは

ミクシィの川岸滋也氏(ユーザーサービス本部コマース部部長)

 mixiモールは、ミクシィとDeNAが共同で運用するモール型のソーシャルコマース。各商品には「きになる!」ボタンと「もってる!」ボタンが設置され、ユーザーがこれらのボタンを利用してmixi上の友達に商品を勧められる。mixiモール内で商品を購入することも可能だ。自分のmixiのトップページには、友人が勧めた商品に関する情報も表示される。

 mixiモールの特徴は、仲の良い友人とのつながりを生かした「共感消費」を生み出す仕掛けだ。川岸氏によれば、共感消費とは、友人との会話の中で発生するモノ・商品への興味から生まれる消費活動のこと。mixiモールでは、感情を伴った商品への興味が友人と共有されることで、新たな消費活動を創出できると見込んでいる。

 共感消費を生み出す「きになる!」ボタンは、「欲しい」「イイネ」「Like」のような完全肯定的な感情表現ではなく、「気になる」という守備範囲であらゆる感情をカバーしているのが特徴。「買うには至らないけど関心はあるというエモーションを拾う」(川岸氏)ことを意識したという。また、「もってる!」ボタンは、レビューのような高いハードルではなく、購入後に表現する簡易な感情表現として機能することをもくろんでいる。

 「mixiモールでは『きになる!』や『もってる!』を押したり、商品にコメントをすると、それらの行動が友人のフィードにも流れる。コメントについては楽天やAmazonのような“固い”内容ではなく、感情を伴うコメントが並ぶことが予想される。このような感情がフックとなって商品の認知・共感につながり、商品購入の背中を押すのではないか。」

 こうした共感消費について、ミクシィはすでに手応えを感じている。「これこそが共感消費によるギフトサービス」という「ミクシィ年賀状」の実績があるためだ。同サービスはmixi上の友人にお年玉付き年賀はがきが送れるというもので、昨年度の受注は100万枚を超えた。今後は共感消費に加えて、友人と一緒に商品を購入する「共同消費」の分野でもソーシャルコマースが成立すると見ている。
共感消費を生み出す仕掛けのイメージ
PC版「mixiモール」のトップページ PC版「mixiモール」の商品詳細ページ

ECサイトのコマース要素をSNS上のコミュニケーションと完全融合

 ソーシャルサービスとコマースを融合するソーシャルコマースとしては、例えばTwitter公式アカウントや「Facebookページ」を通じて商品購入につなげる取り組みがある。ミクシィ自身も「mixiページ」を提供し、店舗がユーザーと交流を図れる仕組みを提供するが、川岸氏は「現状でソーシャルコマースを実現するには3つの問題がある」と指摘する。

 1つ目の問題は、ソーシャルサービスはコミュニケーションの場であって「モノを買う」モードにはならないという点だ。2つ目はソーシャルサービス上でモノを買う必要性がないという点だ。「ビッダーズや楽天で買えばいい、となってしまう」(川岸氏)。3つ目は店舗のページにユーザーが集まる仕組みがないことだという。

 こうした問題を解決するには、ECサイトのコマース要素をSNS上のコミュニケーションと完全に融合させることが必要だと川岸氏は指摘。そして、これらの問題を解決するためにmixi自らがモールサービスを立ち上げたといい、「真のソーシャル×コマースを目指す」考えだ。

 「mixiモールは、人間関係を表すmixi上の“リアルグラフ”や、趣味や嗜好でつながるmixiページ上の“インタレストグラフ”を活用できるのも強み。まずはリアルグラフに焦点を当てるが、今後はインタレストグラフにもフォーカスしていく。この2つのつながりが重なる友人を重点対象としてサービスを展開すれば、大きく跳ねるのではないか。」
現状のソーシャルコマースの問題点 ソーシャルコマースの問題点を解決するための方法


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(増田 覚)

2012/3/21 15:13