最高裁が「TVブレイク」の上告棄却、JASRACの勝訴確定へ


 最高裁判所は3月29日、動画共有サイト「TVブレイク」を運営していたジャストオンライン株式会社の上告の申し立てを棄却した。これにより、日本音楽著作権協会(JASRAC)が著作権を有する動画ファイルなどの送信差し止めを命じるとともに、ジャストオンラインおよび同社代表者の今崎善秀氏に連帯して著作権侵害による損害賠償金の支払いを命じた東京地裁の判決、およびこれを支持して控訴を棄却した知財高裁の判決が確定した。

 ジャストオンラインと今崎氏は、原判決には著作権侵害行為をした主体およびプロバイダ責任制限法にいう「発信者」の解釈、適用に誤りがあるとして、知的財産高等裁判所の判決を不服とし、2010年9月22日に、最高裁判所に上告受理の申し立てをしていた。

 今回の決定についてJASRACは、以下のようにコメントしている。

 「最高裁判所が、本件動画投稿(共有)サイトにおける著作物の利用に関し、本件サイト運営者であるジャストオンライン株式会社が著作物の利用主体であること、および同社が本件サーバーに情報を記録または入力した者として、プロバイダ責任制限法2条4号にいう『発信者』にあたることを明確に認定・判断した上記の知的財産高等裁判所の判決を維持したものであり、高く評価することができます。また、損害賠償請求につき、動画の視聴回数1回当たり12円を使用料相当損害金とし、遅延損害金を含め合計約1億円の支払義務があることを認めた判決をも維持したものです。」

 「最高裁判所の本決定は、動画投稿(共有)サイトのみならず、レンタル掲示板、音楽ストレージ等のユーザーアップロード型のサービスにおいて違法音楽ファイルや違法動画を放置する事業者に対する警鐘となることが期待されます。」


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(増田 覚)

2012/3/30 19:52