Linux創始者のLinus Torvalds氏に「ミレニアムテクノロジー賞」


 Technology Academy Finlandは19日、Linuxの創始者であるLinus Torvalds氏に2012年度の「ミレニアムテクノロジー賞」を授与すると発表した。iPS細胞を発見した京都大学の山中伸弥教授との同時受賞となる。

 この賞は、現在・未来に渡って人生の質を著しく向上させる技術的革新に対して2年ごとに授与される。大学、研究機関、学会、ハイテク企業から推薦を受け、独立財団であるTechnology Academy Finlandの国際選考委員会によって選出される。同財団はフィンランド財界によって設立され、フィンランド政府の支援を受けている。

 授賞式は6月13日にヘルシンキで開催され、そこで今年の大賞受賞者が発表される。その後、100万ユーロを超える賞金総額が受賞者の間で分配されることになっている。

 Linus Torvalds氏の授賞理由は「Linuxカーネルとして広く使われるようになった新しいオープンソースOSの創造」となっている。

 ミレニアムテクノロジー賞設立以来の過去4回の受賞者は、2004年がウェブ発明者のTim Berners-Lee卿、2006年が青色LED発明者の中村修二氏、2008年がドラッグデリバリーやティッシュエンジニアリングのためのバイオ材料開発のRobert Langer氏、2010年が色素増感型太陽電池開発のMichael Gratzel氏。

 この賞は、科学に対する貢献を重視するノーベル賞とは異なり、技術開発に対して授与されることから「テクノロジー界のノーベル賞」とも言われている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2012/4/20 11:23