NTT西とサイレックス、パソコン画面を遠隔のテレビ画面に映すアダプタ

パソコンの画面を遠隔地のテレビに映すアダプタ「TAYORI」

　西日本電信電話株式会社（以下NTT西日本）とサイレックス・テクノロジー株式会社は4月20日、パソコンの画面をインターネット経由で遠隔地のテレビに映せるアダプタ「TAYORI」について協業すると発表した。サイレックス・テクノロジーは4月23日より「TAYORI」（型番：SX-RD4000G-NW）の販売を開始、NTT西日本がサポートを担当する。

　「TAYORI」は、パソコンの画面をインターネット経由で、離れた場所にあるテレビに映せるアダプタ製品とパソコン用ソフトウェアのセット商品となる。画面をテレビに映したいパソコンには専用ソフトウェアをインストールし、接続相手となる遠隔地の「TAYORI」の個体情報などを入力する。

　画面を映したいテレビのある家ではまず、無線LANルータなど、ルータ機能を持つ機器のLANポートに「TAYORI」を有線接続。LANに接続した「TAYORI」とテレビを、DVIケーブルで接続する。テレビ側の端子がHDMIの場合は、DVI-HDMI変換ケーブルを利用して接続できる。テレビに接続後、「TAYORI」のプッシュボタンを押して、テレビ画面を「TAYORI」から出力するパソコン画面に切り替える。

　「TAYORI」はUSBデバイスサーバー機能も備えており、「TAYORI」のUSBポートにプリンターなどを接続することで、テレビと接続する遠隔地のパソコンから、プリンターも利用可能となる。画面を見せるだけでなく、たとえば、遠隔地に住む家族に料理の作り方をテレビで見せながら、材料リストを「TAYORI」に接続したUSBプリンタで遠隔印刷するといった使い方が可能になる。

　「TAYORI」はもともとビジネスユーザー向けにサイレックス・テクノロジーが販売していた製品に、“家デジ”構想を推進するNTT西日本が注目。「個人のお客さまにもパソコンの画面をインターネット経由で遠隔のテレビに映し出し、画面を共有しながらウェブサイトの閲覧や写真の共有などを楽しめる」と考え、個人向けの機器に改良。個人ユーザー向けのサポートもNTT西日本が提供することで、サイレックス・テクノロジーとの協業に至ったという。

　「TAYORI」は、NTT西日本が提供する「フレッツ・v6オプション」に対応する。このため「フレッツ・v6オプション」を合わせて利用すると、テレビ側にある「TAYORI」と遠隔地のパソコンがNTT西日本の次世代ネットワーク内でダイレクトに通信することが可能となり、インターネットのトラフィックの影響を受けることなく、高画質な動画共有などが可能になる。

　NTT西日本では、遠隔地に住む家族と一緒にネットショッピングを楽しんだり、旅行のプランなどを同じ画面を見せながら相談したりといった用途を想定。また、離れた場所に住む孫の写真を、「TAYORI」に接続したプリンターで印刷するといった使い方も可能になる。

　USBデバイスサーバー機能では、マウスやキーボードも接続可能で、テレビに映った画面を通じて遠隔にあるパソコンの操作もできる。

「TAYORI」の利用イメージ

　今回の協業における両社の分担は、NTT西日本がコールセンター「光Linkホットライン」での購入前サポート、および「リモートサポートサービス」によるサポートを担当。機器の初期設定については、有料の訪問サポートも行う。

　サイレックス・テクノロジーは、「TAYORI」の製造発売、故障対応、および「TAYORI」を用いた「フレッツ 光ネクスト」および「フレッツ・v6オプション」利用シーンの訴求を担当する。

　「TAYORI」（型番：SX-RD4000G-NW）の主な仕様は、インターフェイスが1000BASE-T対応のLAN×1、USB 2.0×2、DVI-I出力×1、ラインイン×1（ステレオミニジャック）、マイクイン×1（モノラル）。対応OSはWindows 7（32/64bit）、Windows Vista SP1以降（32/64bit）、Windows XP SP2以降（32bitのみ）。

　表示機能は最大解像度1920×1080（フルHD対応）。本体サイズは幅155×奥行き32×高さ120mm、本体重量は245g。電源はACアダプタ利用で、100～240Vに対応する。

　なお、「TAYORI」は全国どこからでも購入可能だが、NTT西日本によるリモートサポートサービス提供は、西日本エリア（東海、北陸、関西、中国、四国、九州地区）限定となる。

今後、ITサポート、旅行代理店、保険・證券などの顧客対応およびサポートなどへの応用と市場開拓に向け、トライアルなどを行っていく予定だという