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医薬品ネット販売裁判の控訴審、ケンコーコムなどに販売権認める逆転判決


ケンコーコム社長の後藤玄利氏
ウェルネット社長の尾藤昌道氏

 改正薬事法の施行に伴い、第1類および第2類一般医薬品のネット販売を禁止した厚生労働省の省令は違法だとして、ケンコーコム株式会社と有限会社ウェルネットの2社が販売権の確認などを求めていた裁判の控訴審で、東京高等裁判所は26日、2社の販売権を認める逆転判決を言い渡した。

 争点となった改正省令(平成21年厚生労働省令第10号)では、一般用医薬品のうちリスクの高い「第1類」「第2類」については対面販売を原則として、インターネットなどによる通信販売は原則として行えないとする規定を定めた。これに対して、ネット販売業者のケンコーコムとウェルネットが、改正省令は違法なものだとして、2009年5月に国を相手として、2社が第1類・第2類医薬品の通信販売を行える権利の確認と、改正規定が無効であることの確認を求める行政訴訟を起こした。

 一審の東京地方裁判所は2010年3月、ネット販売を禁止した規定の無効確認請求については却下、販売権の確認についても棄却とする判決を言い渡し、これを不服とした2社が控訴していた。

 控訴審判決では、医薬品のネット販売を禁止した規定は、薬事法から厚生労働省令への委任範囲を超えているものだとするケンコーコム側の主張を認め、2社に医薬品をネット販売できる権利があることを認めた。その他の部分については、一審判決を支持している。

 ケンコーコム社長の後藤玄利氏は、「当然の結果であると認識しているが、安堵している。省令の違憲は明らかであり、既に長期間が経過しているので、国は上告せずに早期にこの問題に対処していただきたい」とコメントを発表。ウェルネット社長の尾藤昌道氏も、「感無量であり、このたびの判決に感謝する」とコメントした。

 逆転判決の要因について問われた後藤氏は、「一審の判決がそもそもおかしかった。今回が当然の結果だと思っている」と主張。裁判がさらに続く可能性に対しては、「ほぼ3年近く異常な状態が続いており、私どもには毎日のように医薬品を購入したいというお客様からの声が届いている。これ以上こうした状態を続けてほしくない」とコメント。今後の対応については、「一刻も早く厚労省の方で動き出してほしい」として、判決が確定した場合にすぐにネット販売を再開するかについては、「判決文を十分に確認し、弁護士とも相談した上で考えたい」とした。

 厚生労働省では判決に対して、「現時点では、判決内容について承知していませんが、国の主張が一部認められず、厳しい判決であると考えています。今後の対応については、判決内容を十分検討するとともに、関係省庁と協議した上で決定したいと考えています」とするコメントを発表した。


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(三柳 英樹)

2012/4/26 20:07