PCやゲームの時はメガネを~杉並区立和田小学校、5・6年生に「JINS PC」配布


 東京都の杉並区立和田小学校が、液晶ディスプレイなどから発する“ブルーライト”をカットするメガネ「JINS PC」を、5・6年生の全児童160名に配布する。同製品を販売する株式会社ジェイアイエヌと同校が、教育現場や家庭におけるブルーライトカットメガネの認知向上や普及に向けて協力した。

和田小学校で12日、保護者参加型の課外プログラムとして、ジェイアイエヌ主催による光に関する親子実験教室が開催された。記念撮影は、参加者全員でJINS PCをかけながら

 ブルーライトとは、波長が380~495nmの青色系の光線のこと。太陽光にも多く含まれるが、LEDをバックライトに使用したPCやタブレット端末、液晶テレビなどのディスプレイからも発生しており、目の疲れを引き起こすなどの影響があるという。ジェイアイエヌでは、ブルーライトから目を守ることが疲れ目などを予防するのに有効ということで、視力矯正用ではない機能性メガネ商品の1つとして、昨年9月よりJINS PCシリーズを販売している。

 和田小学校はITの活用に積極的で、授業の2割程度で電子黒板を用いているほか、算数と国語では問題プリント代わりにニンテンドーDSの学習ソフトも導入。今後はiPadも採用するという。このほか、社会や理科の調べ学習などでPCが使われる。

 児童に配布するJINS PCは、ジェイアイエヌが寄贈するもの。5月中に配布し、PC教室での授業の際に着用してもらうことを想定している。ただし、視力矯正用のメガネを使用している児童もいることから、強制ではなく、学校として推奨するというスタンスだ。

 IT活用が進んでいる同校とはいえ、児童が学校でディスプレイのブルーライトに接する機会はそれほど多くはない。福田晴一校長は、家庭での携帯ゲーム機やテレビを使用する際の影響のほうがより大きいのではないかと指摘。JINS PCを配布することで、保護者におけるブルーライトへの配慮や子どもの目を守る意識の向上につなげたい考えだ。

和田小学校の福田晴一校長(JINS PCを着用して)「親子で『光』マスターになろう!」と題した実験教室の様子

 配布に先立ち12日、保護者参加型の課外プログラムとして、光に関する親子実験教室がジェイアイエヌの主催で開かれ、3~6年生の児童とその保護者26組が参加。参加した児童には、28日に発売される子ども用フレームの新製品「JINS PC for KIDS」、保護者には大人用のJINS PCが配られた。

 実験教室の内容は、太陽光や蛍光灯、ディスプレイの光にはどのような波長の光が含まれるかを観察するという、いわゆるサイエンス教室的なもの。ブルーライトの説明を前面に押し出したものではなく、特に子どもたちに保護メガネの必要性を理解させようという趣旨ではない。実際、子どもにとってメガネはあまりかけたくないものらしく、もらったJINS PC for KIDSをちょっとかけてみてはすぐに外してしまう子どももいた。

 一方で保護者は、関心の高い層が参加していたようだ。ブルーライトの話題について以前より知っていたというある保護者は、高学年になると家で自分のPCを使い始めるとし、そのような場合に保護メガネを使用させたいと話していた。また、PCを長時間使う仕事に就いているというある保護者は、すでに同僚でJINS PCのユーザーもおり、競合製品も含めてよく知っているという。自身でも購入を考えていたが、ちょうど今回JINS PCが配布されたこともあり、自分でも試してみたいと話していた。

実験教室で使われたプログラムと簡易分光器簡易分光器で蛍光灯の光を見た状態。含まれる波長の光に分かれる(実際はもっと細く、くっきり分かれて見える)
太陽光、蛍光灯、ディスプレイに含まれる波長(色の混ざり方)の違い。いちばん上が太陽光。では2番目、3番目は?実験教室は株式会社リバネスが協力。写真は、メイン講師を務めた武田隆太さん

 なお、JINS PC for KIDSのサイズは、対象年齢が4~10歳となっている。実験教室では子ども用のJINS PC for KIDSが配られたが、5・6年生全員に配布するのは大人用のJINS PCの予定だ。

 ジェイアイエヌは今後、全国で同様の教室を開催し、ブルーライトカットメガネに対する社会的な関心・理解の拡大に取り組んでいきたい考え。


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(永沢 茂)

2012/5/14 11:00