「Google Compute Engine」発表、Amazon EC2に対抗するIaaS
米Googleは28日、待ち望まれていたIaaSである「Google Compute Engine」を発表した。現時点では、限定的なプレビュー版としてサービスを開始している。
Google Compute Engineは、Googleのデータセンター内でバーチャルマシン(VM)を実行できるIaaSであり、先行するAmazon EC2に対抗するサービスといえる。Googleはすでに「Google App Engine」「Google Cloud Storage」「Google BigQuery」などのクラウドサービスを提供しており、新サービスがこれに加わることになる。
Google Compute Engineは、オンデマンドでLinux VMを起動できる。VMは1/2/4/8バーチャルコアで、1バーチャルコアあたり3.75GBのRAMが提供される。また、Googleはパフォーマンスを大規模なスケールで改良し、VM同士を接続して強力な計算クラスターを構成できるとしている。さらにVMの設定や操作は、ウェブユーザーインターフェイス、スクリプト可能なコマンドラインツール、APIによって可能だ。
サービス開始に合わせて、Googleはさまざまなクラウド管理サービスと提携した。これらのサービスは、Google Compute Engineと統合して利用できるようにしていく。パートナー企業にはRightScale、Puppet Labs、OpsCode、Numerate、Cliqr、MapRが含まれている。
Googleでは、メジャーなクラウドプロバイダーと比較して、同金額で50%以上の計算力が得られるとアピールし、料金体系の詳細を公開している。
GoogleはGoogle Compute EngineでIaaS市場に参入し、Amazon Web Servicesと直接的に競合することになる。ただし、Googleは今回、限定的プレビュー版を公開したに過ぎない。これに対し、Amazonは2006年にサービスを開始し、数多くの企業の実務に実際に利用されている実績がある。その上で、Googleの稼働実績やエンジニアリング能力、料金体系やパフォーマンスなどについて、両社やMicrosoft Azureなども交えて詳細な比較検討が必要になりそうだ。
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(青木 大我 taiga@scientist.com)
2012/6/29 12:31
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