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“ネット普及を遅らせるほど成功した”、仏「ミニテル」が終幕


 80年代から90年代にかけて全盛期を誇ったフランスの情報通信サービス「ミニテル」が、2012年6月30日にその長い歴史に幕を閉じる。

 ミニテルは、フランス国民の誰もが利用するほど成功を収めていたために、同国でのインターネット普及を遅らせたのではないかとの議論が今でも続けられているほどだ。フランスだけでなく、欧州の様々な国でも利用されるようになった。

 ミニテルは、1978年にフランス国営郵便電話通信会社によって実験的サービスが開始され、1982年までにはフランス全土でサービスが開始されていた。キーボード付きのブラウン管ディスプレイのターミナル端末が無料で配布されたことにより、電話利用者は企業や一般家庭を問わず、誰でもミニテルを利用した経験を持つとされる。

 ミニテルでは、電話帳の検索、飛行機や電車のチケット購入、通信販売、各種データベースの検索、メールやチャットまで使用できた。そのためフランス国内で独自のネットワーク文化が花開いていた。

 しかしインターネットの普及により、2009年にフランステレコムはミニテルサービスを停止する意向を表明し、最終的に2012年6月30日にサービスを停止することが決定していた。未だに多くの家庭にあるミニテルターミナルは、リサイクルのため回収されることになっている。

 フランスでは今でもミニテルを使用している年配者は多く、サービス停止によってインターネットに移行しなければならない。ひとつの時代の終わりを寂しく思うフランスの人々の声も聞かれている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2012/7/2 06:00