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「LINE」がプラットフォーム化、ゲームなど外部コンテンツ提供へ


 NHN Japan株式会社は3日、無料の通話・メールアプリ「LINE」でつながっている友達と楽しめるアプリやサービスを集約する新プラットフォーム「LINE Channel」を発表した。世界4500万人、国内2000万人のスマートフォンユーザーを対象に外部パートナーがコンテンツを提供することで、スマートフォンにおけるエコシステムを築くという。

LINE Channelのイメージ

 LINE Channelの第1弾としてはゲーム、占い、クーポンなどのアプリやサービスを7月上旬以降、iPhoneおよびAndroid向けに提供する。連携アプリは、LINE上で動作するHTML5基盤の「ウェブアプリ」と、iOS/Android OSの各アプリマーケットで公開される「ネイティブアプリ」の2種類で構成される。

 LINE Channelで当初提供するのは、自社開発アプリのみ。今後は外部パートナー向けにAPIを公開。LINEの友達リストやメッセージ機能、決済機能などを提供することで、外部パートナーによる連携アプリを中心に拡充していく予定だ。

LINEの友達と遊べる「LINE Game」、限定スタンプで利用促進も

 例えばゲームは、LINEでつながっている友達と一緒に楽しめるネイティブアプリ形式の「LINE Game」を7月上旬に公開。Enfeel社の人気アプリ「Birzzle」の最新作をLINE向けに移植するなど、今後は外部パートナーのゲームを中心にタイトルを拡充していく。

LINE Gameのタイトル

 LINE Gameの特徴についてNHN Japan代表取締役の森川亮氏は、LINEのフレンドリストにいる仲の良い友達とゴールを目指したり、競争できる仕組みがあることだと説明。LINE Game限定のスタンプを用意することで、クチコミによる利用促進も狙うという。

LINE Gameでは「Birzzle」のオリジナルスタンプも配信する予定
今後ゲームを提供する予定の企業

 スマートフォンを舞台としたゲームのプラットフォームとしては、Appleの「Game Center」や、日本でもGREEやDeNAが多くのユーザーを抱えている。森川氏は「そこに4500万ユーザーを抱えたLINEが新たに加わる」と意気込みを示した。

NHN Japan代表取締役の森川亮氏

ポータル化するLINE、スマートフォンの入口に

 LINE Channelではさらに、トーク画面内で読み進める「LINEトークノベル」、占い・診断サービスの「LINE占い」、ホットペッパーグルメと連携する「LINEクーポン」、レコチョクとの連携による音楽販売サービス「LINEサウンドショップ(仮)」などを投入する。

LINEトークノベルのイメージ
LINEクーポンのイメージ

 詳細は明らかにされていないが、LINE Channelでは「サーチ」「Q&A」「ロケーション」「コミック」「ショッピング」といったサービスも提供する予定。NHN Japan執行役員/CSMOの舛田淳氏は、「LINEがポータルサイトのように機能する」と話す。

 LINE Channel内の有料コンテンツを購入するためのモバイル決済サービスとして、「LINEコイン」もリリースする。ユーザーはあらかじめLINEコインを購入しておくことで、LINE Channel内の有料コンテンツを利用できる。

 詳細は明らかにされていないが、LINE Channelでは「サーチ」「Q&A」「ロケーション」「コミック」「ショッピング」といったサービスも提供する予定だ。舛田氏は、「ポータルサイトのような構想」を描いていると話す。

 「今までのLINEの人と人とのつながりにLINE Channelが介在することで、ショッピングや映画、スポーツ、ブックなど外部パートナーのサービスがつながる。これによってLINEが、スマートフォンのゲートウェイになる。」(舛田氏)

NHN Japan執行役員/CSMOの舛田淳氏

プラットフォームになる条件は満たした

 舛田氏によれば、プラットフォームになるためには、1)大規模なユーザーベースがあるか、2)そこにサービスが効果的につながるか、3)その場が収益化できるか――という3つの条件が必要だと指摘。LINEはそれらを満たしていると話す。

 1)については、世界で4500万人のユーザー数に達しており、現在も毎月500万人ペースで新規ユーザーが増えていると説明。国内を見てもユーザー数は2000万人に上り、国内のスマートフォンユーザーの44%にリーチしているとアピールした。

LINEユーザー数の推移

 2)については、サービスが効果的につながるかを検証するために、LINEの友達に写真を送れる「LINE Camera」をリリースした事例を紹介。同アプリは広告をせずに13カ国のApp Storeで1位を獲得、ユーザー数は1カ月で500万人に到達したという。

 サービスが効果的につながった事例としてはさらに、アーティストのコンテンツやニュース、占いなどを配信する「LINE公式アカウント」の利用者が2500万人に上ることを紹介。「4500万人のユーザーベースが、他のサービスにも生かされている」と強調した。

 3)については、これまで世界中のプラットフォームが収益化に悩んできたと指摘。一方、LINEは4月末に「スタンプショップ」を開設し、6月末までに3億5000万円の売り上げを達成。現在の売り上げも好調で、「毎月5000万円ずつ増えている状況」という。

 これら3つの条件について舛田氏は、「どれも成果を出せた」と評価。LINEが通話やメッセージというコミュニケーションツールから、ようやくプラットフォームに進む準備ができたと話した。

 3日には、外部パートナーを募集するための専用窓口ページを公開。今後は、プラットフォーム構想を利用者が多い東アジアを中心に展開するとともに、2012年下半期には新たに米国と中国でも進出。年内に世界で1億ユーザーを目指す。

 「いずれは10億人のユーザーがいるFacebookのような存在になりたい。まずは年内に1億ユーザーを達成してから、10億ユーザーへのプロセスを考えていく。」

LINE、Twitter、Facebookのユーザー数の増加ペース

出会い目的の使用の禁止やトラフィック負荷の対策も

 NHN Japanではこのほか、「安心・安全化」に向けた取り組みとして、1)異性との出会い・交際目的の使用、2)未成年者保護の取り組み、3)スパム対策、4)トラフィック負荷対策――を行うことも発表した。

 1)はApp StoreやGoogle Playのレビュー欄をモニタリングし、異性との出会いや交際目的の書き込みを発見し次第、削除要請を行う。また、友達募集を目的とした非公認の掲示板やサイトのリストを開示し、サービス運営者に抗議・差し止めをしていく。

 2)については国内通信キャリア事業者より年齢確認情報の提供を受け、未成年者保護の対策を推進する。

 3)は不特定多数のユーザーに対して大量にメッセージを送信する行為、およびNHN Japanが規定するガイドラインにおいてスパムと認定された行為を行った場合、即座に当該アカウントを削除する。

 4)はすでに、トラフィック負荷低減を目的に、国内通信キャリア事業者と共同で、アプリの仕様やシステムを改善するための協議を開始しており、段階的に対策を実施していく。


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(増田 覚)

2012/7/3 17:38