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中国のインターネット利用者は5億3800万人。スマートフォン利用者が急増


 中国ネットワークインフォメーションセンター(CNNIC)は19日、中国における2012年6月末におけるインターネットの利用状況をまとめた「第30次中国互換網発展状況統計報告」を発表した。

デスクトップPC経由を携帯電話・スマートフォン経由のネット利用が上回る

 2012年6月末時点のインターネット利用者は5億3800万人で、総人口に対するインターネット利用率は39.9%。半年前に行った前回調査より2450万人、2011年6月末からの1年間では5260万人増加した。増加数は以前に比べ鈍化傾向にある。携帯電話でインターネットを利用する人は3億8800万人で、昨年末に比べて3270万人増加した。農村部の利用者数は半年前から1464万人増の1億4600万人で、インターネット利用者全体の27.1%を占める。

中国インターネット利用者数と普及率の推移 中国の携帯電話によるインターネット利用者数と普及率の推移

 インターネットを利用するデバイスは、デスクトップPCが3億8016万人、ノートPCが2億4237万人、携帯電話・スマートフォンが3億8825万人となり、今回の調査で携帯電話経由でのインターネット利用者数が、はじめてデスクトップPC経由での同利用者数を超えた結果となった。ただしノートPC経由での同利用者数は別にカウントされているので、無線データ通信利用者数がブロードバンド利用者数を上回った、というわけではない。

 今年インターネット利用者となった人々の利用デバイスは、都市部ではデスクトップPCを導入した人数と携帯電話・スマートフォンを導入した人数がほぼ同じだが、農村部においては携帯電話を導入する人数が、デスクトップPCやノートPCを導入した人数を上回った。スマートフォンが中国全土規模で1000元ないしはそれ以下で導入することができたことに加え、農村部では家へのブロードバンド回線よりも携帯電話でのインターネット利用のほうがハードルが低いために、特に農村部で携帯電話のシェアが高い理由となっている。

ネット端末別インターネット利用者数 都市部と農村部の新規ネット端末数比較

 インターネットを利用する場所について(複数回答可)は、多い順に「自宅(90.3%)」、「職場(30.9%)」、「インターネットカフェ(25.8%)」、「学校(16.8%)」、「公共の施設(12.6%)」となった。自宅からのインターネット利用にさらにシフトが進んでいることが伺える結果となった。

 インターネット利用者の内訳は男女比55:45。年齢別では10代〜30代で全体の81.1%を占め、相変わらず若者に利用が偏っている結果に(学生は利用者全体の28.6%)。若干40代以上の利用者が増える一方、10代未満の子供は前回比よりも低い結果となった。

 都市部では子供にタブレットやスマートフォンを触らせる親もみかけるようになったが、インターネットは利用させないということだろうか。収入別では月3000元以上(日本円で約3万7000円)の高収入の利用者が増える一方、月500元以下の低収入の利用者も増加し、その中間の利用者が減少し、二極化が進む結果に。

 IPv4アドレスの中央在庫が枯渇したことを受けて、IPv4アドレス(3億3044万)は変わらず、IPv6アドレスが若干の増加を見せた。海外バックボーンの総容量は前回調査比17.5%増の1,548,811Mbps。キャリア別では、中国電信(China Telecom)が842,598Mbps、中国聯通(China Unicom)が477,867Mbps、中国移動(China Mobile)が198,129Mbpsとなった。


実用的用途で全体での利用率増、娯楽・コミュニケーション用途で全体での利用率が減少

 インターネット利用者のインターネット平均利用時間/週は、19.9時間。近年の調査ではいずれも20時間弱で落ち着いている。

 インターネット利用者の利用用途を多い順から5位まで上げると、「チャット(4億4514万人、利用率は82.8%)」、「情報検索(4億2860万人、同79.7%)」、「音楽視聴(4億1060万人、同76.4%)」、「ニュース(3億9231万人、同73.0%)」、「ブログ(3億5331万人、同65.7%)」となる。

 次いで5〜10位が、「動画視聴(3億4999万人、同65.1%)」、「オンラインゲーム(3億3105万人、同61.6%)」、「微博・マイクロブログ(2億7364万人、同50.9%)」、「電子メール(2億5842万人、同48.1%)」、「SNS(2億5051万人、同46.6%)」。

 11位以後は、「オンラインショッピング(2億989万人、同39.0%)」、「ネット小説(1億9457万人、同36.2%)」、「オンラインバンキング(1億9077万人、同35.5%)」、「オンラインペイメント(1億8722万人、同34.8%)」、「掲示板(1億5586万人、同29.0%)」、「クーポンサイト(6181万人、同11.5%)」、「オンライン旅行予約(4257万人、同7.9%)」、「オンライントレーディング(3780万人、同7.0%)」の順となった。

インターネット利用者の利用用途

 最も利用者数の増加が目立ったのは、オンラインバンキングとオンラインペイメントだ。これは、スマートフォンなどのモバイル向けの利用者数増加によるところが大きい。また、コミュニケーション系サービスとしてチャットが最も利用されていることは変わりないものの、ブログや微博・マイクロブログの増加率も高かった。

 インターネット利用者数が増加する一方で、「ネット小説」「クーポンサイト」「オンライントレーディング」の利用者が前回比で減少した。

ネット小説は文章の質が低いことが利用者離れに、クーポンサイトは旧ユーザーが離れ新ユーザーがつかず、利用者が減少したと分析。オンライントレーディング利用者数も株価が不安定だと、利用者数も減少する傾向になる。

 携帯電話・スマートフォンにおいては、利用用途の多い順に5位までは、「チャット(利用率は83.0%)」「情報検索(同66.7%)」「ニュース(同58.3%)」「音楽視聴(同49.2%)」となり、PCを含めた利用者全体と比べてあまり大きな違いは見られない。

 次いで、5〜10位は、「微博・マイクロブログ(同43.8%)」、「ネット小説(同41.9%)」、「SNS(同41.2%)」、「オンラインゲーム(同30.0%)」、「動画視聴(同27.7%)」の順となった。

 11位以後は、「掲示板(同26.8%)」、「メール(同25.9%)」、「オンラインペイメント(同11.4%)」、「オンラインバンキング(同9.7%)」、「オンラインショッピング(同9.7%)」、「オンライン旅行予約(同4.8%)」、「クーポンサイト(同3.9%)」となり、ショッピングやバンキングなどネットでの消費活動が多く並ぶ。

モバイルインターネット利用者の利用用途

 前述した通り、モバイルにおいてもオンラインペイメントやオンラインバンキングの利用率が上がったほか、オンラインショッピングの利用率も上がった。また音楽視聴や動画視聴の利用率の向上は3G普及の影響があるのだろう。またマイクロブログ・微博も利用率が上がった。

 インターネットを利用したがらない人もまだまだいるが、その理由として「PCやインターネットがわからない(54.8%)」「年をとっている/若すぎる(18.8%)」という理由が年々高くなっている。その他の理由は「インターネットを利用する時間がない(20.4%)」「PCがない(12.1%)」「興味が無い、必要を感じない(11.6%)」といった理由があるが、これらの理由を挙げる人は年々減っている。



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(山谷 剛史)

2012/7/20 16:21