JPNICとJPRS、ITU規則改正に意見提出「ネットの成長を阻害しないよう配慮を」


 国際電気通信連合(ITU)が12月に開催する国際会議で、ITUの条約文書の1つである国際電気通信規則(ITR)の改正が検討される予定となっていることを受け、社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)と株式会社日本レジストリサービス(JPRS)は、ITRの改正がインターネットの成長と発展に悪影響を及ぼさないよう配慮を求める意見を提出した。

 国連の専門機関であるITUでは、国際通信に関する業務を規定したITRを1988年に制定した。ITRは各国政府を拘束する効力を持っており、主に国際間の電話通信を適用範囲としている。

 2012年12月にアラブ首長国連邦のドバイで開催するITUの国際電気通信会議(WCIT)では、制定以来初めてとなるITRの改正が検討される予定となっている。ITUでは、各国から提出されたITRの改正案を整理した文書を公開するとともに意見募集を行なっており、これに対してJPNICとJPRSが意見を提出した。

 JPNICでは、インターネットが劇的に拡大したのはオープンな運営方針によるものであり、ITRの改正がこうした劇的な基盤拡大とサービスにおける自由な革新の歯止めにならないよう、十分配慮することを求めている。

 JPRSでは、ITRとWCITによって国際機関や各国政府が条約や国内法などによってポリシーの検討と技術開発に過度の影響を持つことになり、インターネットの成長と発展のスピードに悪影響を及ぼす恐れを強く懸念しているとして、そうならないよう強く望むとしている。

【お詫びと訂正 2012/11/7 11:00】
 記事初出時、ITRの制定年を「1998年」と記述しておりましたが、正しくは「1988年」です。お詫びして訂正いたします。


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(三柳 英樹)

2012/11/6 17:52