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IPA、情報セキュリティの脅威に対する意識調査〜甘いパスワード管理の実態

 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は12月11日、インターネット利用者を対象とした「2012年度 情報セキュリティの脅威に対する意識調査」の報告書をウェブサイト上で公開した。

 「情報セキュリティの脅威に対する意識調査」は、インターネット利用者へのウェブアンケートによって調査。脅威に対する認知度、対策の実施状況等の実態把握を目的として、2005年度からIPAが継続的に実施しており、今回で通算11回目となる。

 今回の2012年度調査では、2011 年度に実施した調査項目を継承し、パスワードの設定・管理を含む情報セキュリティ対策の実施状況やインターネット上での行動に関する認識などについて調査した。調査は、ウェブアンケートによって15歳以上のPCインターネット利用者を対象として、10月12日から10月15日まで3日間にわたって実施。有効回答数は5000名、うち男性51.7%、女性48.3%。

 報告書では、パスワード管理については、適切なパスワード管理がされていないと指摘。パスワードを設定する際、「誕生日などの推測されやすいものを避けて設定」は48.5%、「わかりにくい文字列を設定」43.3%で、これらの基本的なルールを守っている利用者は半数に満たないとした。また、「サービスごとに異なるパスワードを設定」しているのは約2割に留まった。

 また、スマートフォンの利用率は増加しているが、ウイルス対策実施率は低いことを指摘している。「OS のアップデート」は58.1%、「信頼できる場所からアプリをインストールする」は53.5%などの項目については、対策の実施率は5割を超えており多項目に比べて高いが、一方で「セキュリティソフトの導入」は36.2%、「アプリをインストールする前にアクセス許可を確認する」26.8%などの対策の実施率は低い。

 情報セキュリティ上危険な行為については、「セキュリティパッチを適用しないで使い続けること」が問題であると認識している利用者は約8割と高いものの、「セキュリティパッチの更新」を実施しているのは約6割に留まるなど、問題と認識していても対策の実行に至らないユーザーが2割と少なからず存在することもわかった。

 またレポートでは利用層による違いについて、10代や初級・中級レベルの利用者では、パスワードの設定方法やセキュリティパッチの更新など、情報セキュリティ対策の実施率や意識がその他の層に比較して全体的に低い傾向にあると指摘。「若年層や初心者に対する教育が重要であり、セキュリティに対する意識向上が求められる」とよりいっそうの啓蒙活動が必要であることを訴えている。

パソコン習熟度が最上級レベルでもパソコンにログインパスワードを設定しているユーザーは6割に満たない
セキュリティソフト・サービスを利用しない理由は、習熟度が高いユーザーでは5割以上が「費用がかかる」を挙げるが、初級レベルでは「利用方法がわからない」が最も多い

 レポートでは、インターネットの利用開始時期、利用時間などの利用実態についても調査。インターネットの利用時間では、10代〜60代まですべての世代で、1日あたり1時間以上〜3時間未満が4割を超えるなど、インターネット利用が日常生活の一部となっていることが伺える。

 また、インターネットの利用用途は「検索サイト・ポータルサイト」が88.0%でトップ。続いて「インターネットショッピング」78.9%、「ニュースサイト」68.0%、「電子メール」67.8%と続く。

 話題になることの多いSNSは25.9%、Twitterなどのマイクロブログは16.3%で、検索やメールに比べるとまだ利用者が一部に限られていることがわかる。

 また、YouTubeなどの動画共有サイトは、2010年10月調査で44.4%から2011年10月調査には47.5%と増加していたが、今回の2012年調査では42.7%と約5%ほど利用率が落ちている。関連性は明らかではないが、YouTube上では2012年から動画広告が開始されており、動画広告の一時的な影響があるのかどうか、来年度以後の推移が注目されるところだ。

インターネットの利用用途

(工藤 ひろえ)