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KCCS、大学・企業向け電子書籍配信サービス「BookLooper」

 京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)は25日、電子書籍配信サービス「BookLooper」を発表した。2013年3月から提供する。

 KCCSは、大学での電子学術書(和書)の普及を目指し、2010年12月から慶應義塾大学メディアセンターと共同で、学生・教職員を対象とした電子学術書配信の実証実験を行い、学習に適した電子書籍活用のノウハウを蓄積してきた。

 昨今、数多くの電子端末がリリースされ手軽に電子書籍が利用される中、さまざまなOSや端末、ファイルフォーマットに対応したオープンな環境での電子書籍活用が期待されている。特に大学では、学生が教科書や図書館の貸出書籍、講義資料、手書きノートなどを一元管理し、学習できる環境が求められている。また、企業においては知識共有・社員教育のサポートなど、新しいライブラリスタイルへのニーズが高まっているという。

 このようなニーズに応え、KCCSは大学における効率的な学習や、企業における知識の活用を支援する伝書書籍配信の商用サービスとして「BookLooper」を提供する。同サービスは、メモ・マーカー・全文検索などの学習支援機能をはじめ、電子書籍のDRMや決済機能を備えたクラウドサービス。

サービスイメージ

 主な機能として、「セキュリティ」ではユーザーグループに応じた柔軟なアクセス管理が行えるとともに、堅牢なDRMで、電子書籍コンテンツの不正コピー防止や有効期限管理、貸出期限管理などの機能を提供する。

 タブレット(iPad/Android)、スマートフォン(iPhone/Android)、PCに対応し、メモやマーカーを端末間で共有するなど、コンテンツを相互利用できる。

 学習用途に適した機能としては、電子コンテンツにブックマークやマーカー、メモを挿入し、学習を支援する環境を提供する「ビューア機能」、ダウンロードした電子書籍コンテンツを横断する「全文検索機能」、教科書、図書館の貸出書籍、学術・専門書、講義資料、外部のクラウドサービスに蓄積された手書きノートなどを一元管理する「本棚機能」などを搭載。

 また、キーワード検索とカテゴリ分類により、ユーザーがダウンロードしたいコンテンツを探し出せる場として「ストアサイト」を用意。ここで電子書籍コンテンツの有償提供を実現する「決済機能(カード決済・コンビニ決済)」も搭載する。

 そのほか、PDFやWord/Excelなどのさまざまなファイルを登録し、簡単に電子書籍として配信できる「オーサリング機能」や、ページ単位でのダウンロードが可能で、ネットワークが切断されても再接続後に続きからダウンロードできる「モバイル利用に適したダウンロード機能」などを備えている。

 販売目標は3年間で10億円。

(川島 弘之)