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米Amazon、独自の音声読み上げ技術を持つポーランドIVONA社を買収

 米Amazonは24日、音声読み上げ技術を持つポーランドのIVONA Softwareを買収したと発表した。買収金額などの詳細は明らかにされていない。

 IVONAはポーランドのテクノロジー企業で、独自の音声読み上げ技術を開発、応用している。同社技術はすでに米AmazonのKindle Fireタブレット端末における音声読み上げ、「ボイスガイド」、「タッチで検索」機能として使用されており、米Amazon Kindle担当副社長David Limp氏は「IVONAの卓越したテキスト音声変換技術は、自然な音声品質、精度と使いやすさで業界をリードしている」とコメントしている。

 IVONA社の音声読み上げは17カ国語、44方言に対応している。これには英語、ドイツ語、フランス語などが含まれているが、日本語は含まれていない。

 Amazonは初代Kindleで音声読み上げ機能を「実験的機能」として提供していた。しかし、著作権者や出版社などの反対を受けてこの機能を停止し、最新版のKindle Paperwhiteではヘッドホンジャックがなくなるなど、音声機能を減らす傾向にある。一方音声機能はKindle Fireに引き継がれ、対応している洋書に限り音声読み上げ機能を利用できるようになっている。

 音声読み上げ機能はアクセシビリティー機能としてだけでなく、健常者が通学通勤時に車や電車内で電子書籍を「聴く」ために使用するなど、電子書籍やウェブの利用幅を広げるために役立っている。

 今回の買収から、AmazonはKindleを単なる低価格タブレット端末と位置づけているわけではなく、独自技術によって改革していく考えだとする論評が見られた。

(青木 大我 taiga@scientist.com)