ニュース

米Google、“市場最高画質のラップトップ”「Chromebook Pixel」を米英で発売開始

 米Googleは21日、同社がコンシューマ向けノートとして「市場最高画質」と謳う初めてのハイエンドChromebookとなる「Chromebook Pixel」発売を発表した。

 Chromebook Pixelは市場に出回っているどのノートよりも高い高精細ディスプレイ(239ppi)を誇り、「素晴らしい画質だ」としている。

 Chromebook Pixelは、米国と英国限定ですでにGoogle Playで予約受付を開始。Wi-Fiバージョンの価格は米国で1299ドル、英国で1049ポンド、来週出荷開始で、4月にはLTEバージョンが1449ドルで発売される。また、米国のBestbuy.comでも発売予定がある。

 注目のディスプレイだが、12.85インチでアスペクト比は3:2、解像度は2560×1700ドット(239ppi)の高精細パネルを採用。表面にはGorillaガラスを採用、マルチタッチスクリーンとなっている。

 Googleの発表によれば、Chromebook Pixelは「パワーユーザー向け」に開発された。デザインは細部にまで配慮され、筐体にはアルマイト処理されたアルミを使用。ネジは隠され、通気口も見えないようなアクティブクーリングを採用し、フルレンジスピーカーはバックライト付きキーボードの裏側に隠されている。

 サイズは297.7×224.6×16.2mm、重量1.52 kg。比較対象となり得るMacBook Air 13インチと大きさは同程度、重さは17g重いことになる。

 そのほかのスペックとしては、Intel Core i5 1.8GHz(デュアルコア)、Intel HD Graphics 4000(内蔵GPU)、4GBのRAM、ストレージはWi-Fi版が32GB、LTE版が64GBのSSD、Google Drive容量が3年間1TBが提供される。

 側面は片方にSD/MMCカードリーダー、もう片方にはUSB2.0が2ポートとmini displayポート、ヘッドホンジャックがある。またノイズキャンセル機能付きマイク、720p内蔵カメラ、デュアルバンドWiFi 802.11a/b/g/n、Bluetooth 3.0も内蔵する。

 GoogleはこれまでSamsung、Acer、Lenovo、HP社製Chromebookを発売してきた。当初は人気がなかったが、最近は注目を集め始めている。例えば、直近に発売されたSamsung社製Chromebookは、Googleの発表によると、Amazonのラップトップ部門ベストセラーリストで発売以来125日間連続No.1であり続けただけでなく、英国最大の家電小売りCurrys PCでもラップトップ売り上げの10%以上を占めているという人気具合だ。実際ネット上でも多くのユーザーによる評価が見られるようになってきている。

 今回のChromebook Pixelは、Googleによって開発設計された初めてのChromebookだ。価格帯もMacbook Airが購入できるほどのハイエンド製品となる。この価格の製品を最初に出すことは、Chromebookに安物というブランドイメージをつけないという効果もありそうだ。また、Chromebookの大きな利点は、大量導入する際に管理コンソールから一括管理できる管理の容易さにある。そのため、企業内パワーユーザー層で利用が広がる可能性があるだろう。

 一方で、ネイティブアプリケーションをインストールできないなど、パワーユーザーを満足させられるかという指摘もある。また、ラップトップにおけるタッチスクリーンの有効性に関しては、人間工学的観点から否定的な見解もあり、市場の反応が注目される。

(青木 大我 taiga@scientist.com)