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Google Reader終了ショックの波紋〜代替サービスが続々と名乗りを上げる

 米Googleが14日、Google Readerを7月1日にサービス停止すると発表した。Google Readerを愛用していた多くの利用者が行き場を失い、代替サービスを求めている。これを受けて、多数のサービスがその利用者を受け入れるための奮闘を開始した。日本国内でも、Yahoo!JAPANが「爆速」で移行手段を用意していると表明しているが、海外ではGoogle Reader利用者が多いだけに、大きな波紋を広げている。

 Google Readerからのインポート方法を説明するサービス、新規利用者に対応できずダウンするサービス、そしてGoogle Reader終了に合わせてサービスを停止するRSSクライアントも現れた。

 たとえば「Netvibes」は老舗RSSリーダーサービスだが、Google Readerの勢いに負けて早々とサービスを縮小し、ビジネスモデルを転換していた。それでもRSSリーダーは現在も提供されていることから、あっという間に利用者が押し寄せ、サービスにかなりの負荷がかかっている。

 Netvibesはさっそく利用者受け入れ歓迎を表明し、簡単なインポート方法を利用者に通知した。同様に、ソーシャルニュースリーダーのFlipboardや、ブラウザープラグインで新聞のようにフィードを表示できるFeedlyなどもインポート方法を説明してGoogle Readerからの引越し客を歓迎している。

 また、フリーミアムの高機能RSSリーダー「Newsblur」は利用者殺到の負荷に耐えきれず一時期サービスダウンに追い込まれたものの、サーバー増強を宣言し、受け入れに対応している。

 別の対応もある。Windowsプラットフォームで一時期人気を博したRSSリーダークライアント「FeedDemon」は、開発を停止すると発表した。これはGoogle Reader APIが利用できなくなることで、Google Readerとの同期機能が使用できなくなるためだ。もともとFeedDemon利用者は減少が続き、開発が継続できない状況にあったという。なおFeedDemonは、Google Readerとの同期機能は行えなくなった後も、クライアントソフトとしてそのまま使用を継続できる。

 一方、Macプラットフォームで人気の有料RSSクライアントリーダー「Reeder」は、「我々はGoogle Readerと共に死ぬことはない」とTwitterでツイートした。

 このようにGoogle Readerをウェブから利用するサービスだけでなく、Google Reader APIに依存する多数のサービス、iOS/Androidアプリにも大きな影響が及ぶ事態となっている。

 この中で大きな注目を集めているのが米Diggだ。同社は同名のソーシャルブックマークコミュニティーから新会社に売却され、新しく生まれ変わろうとしていた矢先だった。そこへ飛び込んできたGoogle Reader停止のニュースを受け、RSSリーダー開発を最優先プロジェクトにする方向転換を宣言した。もともとRSSリーダー開発は同社の予定に組み込まれていたのだという。現在はユーザーからの意見を公式ブログで募集し、大きな注目を集めている。

 さらには、Google Reader存続を求める署名活動も開始された。現時点で8万以上の電子署名が集まり、注目度の高さがうかがえる。Google Readerのオープンソース化を望む声もある。しかし、発表から1日しか経過していないこともあり、ユーザーの声に対するGoogleからの反応は今のところない。

 今回の状況について、Instapaper開発者で、Podcastやネット評論でよく知られるMarco Arment氏は、GoogleがReaderによって数々のデスクトップRSSクライアントソフトを追い出し、結果としてほとんどのクライアントがGoogle Reader APIに依存する状況ができあがったことについて触れた後、「すばらしい代替選択肢が成熟し、広くサポートされるまでの当面の期間は嫌になるかもしれない。しかし私を信じてくれ。長期的に考えれば、これは素晴らしいニュースだ」と評した。

 実際、Google Readerが登場する以前、Bloglines、NewsgatorなどRSSリーダー市場には競争が存在した。しかしGoogle Reader人気によってすべてが市場から消え去ってしまった。

 今回の事態は、1つのサービスにあまりにも依存し過ぎる事の危険性をまたもや再認識する機会となった。Gmail、Googleカレンダー、Facebook、Twitterなどに代表される大手サービスであっても、常に代替策を考えておくことは有益かもしれない。

(青木 大我 taiga@scientist.com)