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O2O電力ピークシフト実験、需給逼迫時間帯にクーポン付与して外出促す

 株式会社ファミリーネット・ジャパン(FNJ)と大日本印刷株式会社(DNP)は21日、O2Oの仕組みを活用した電力ピークシフトの実証実験を7月から1年間実施すると発表した。電力の需給逼迫が予想される時間帯に向けてクーポンを配信し、外出を促すことでマンション入居世帯の消費電力を減らすのが狙い。

実験概要

 FNJは、マンション向けのエネルギーマネジメントシステム(MEMS)やインターネットサービスを手がける東京電力のグループ企業。今回の実験では、同社のエネルギー見える化サービス「me-eco」導入世帯からモニターを募集し、Androidタブレット端末「Nexus 7」を200世帯に無償提供。同端末に搭載したアプリから日々の電力利用状況を確認できるようにするほか、電力の需給逼迫が予想される日の前日に節電のお願いとともに「明日は電力需要が高まります。クーポンを持って外出してください!」といったかたちで映画館やスーパーマーケット、レストランなどのクーポンを配信する。クーポンを提供する協賛企業の募集などはDNPが担当する。

 FNJによると、2011年夏・2012年夏に実施した節電の実証実験では、電力の需給逼迫時間帯に外出している世帯の節電効果が顕著であることが分かったという。しかし、「電力の需給が逼迫しているから」という理由だけでは外出することへの動機付けが弱いと考え、マンション入居者にメリットを提供することで外出を促す今回の実験を企画した。モニター世帯には、電力使用状況の分析結果に基づく節電アドバイスレポートも定期的に送付する。

アプリ画面イメージ
クーポン案内画面イメージ

(永沢 茂)