リンク集
今年の夏も“省エネ”でいこう! 節電アイデア特集2012
東日本大震災発生直後の2011年夏、関東ではかつてないレベルの「節電」が行われた。工場では土日を営業日にあてたり、ライン稼働を深夜にずらすなどしてピークシフトに協力。万単位の従業員を抱えるような大手企業ではオフィスでも土日や祭日に出勤するなどしてやはりピークシフトに努めた。住宅街では街灯も消え、代わりに地元の有志が防犯を呼びかけて歩くといった努力も行われた。
それから1年あまり、震災後にガスタービン機などをできる限り調達した東京電力では火力やガスタービンによる発電量がいちおう確保され、計画停電は回避できる見通しが立っている。ところが、原発がいったんすべて停止したことにより、原発依存度の最も高い関西電力エリアをはじめ、東京電力と中国電力エリアを除く全国で節電が必要な事態となった。
最も深刻だった関西電力では、大飯原子力発電所が再稼働される可能性が高くなっており、計画停電が回避できる見通しが強まっている。しかし、原発が再稼働した場合でも、電力需要が高まる7月までにフル稼働状態にになるのは難しいと見られており、まだ予断は許さない状況だ。
計画停電は回避できるとしても、発電の主力を火力やガスタービンに頼らざるを得ないため、電気料金値上げの可能性が高い。節電はもはや国民的コンセンサスといってよいだろう。今回のリンク集を、“自分なりの節電”を考えるきっかけにしていただければ幸いだ。
●2012年夏の電力状況を知っておこう
2011年夏の節電の経験を踏まえて、政府や地方自治体、大手ポータルサイトなどが今年も関連サイトを数多く公開している。電力の需給予想、基本的な節電テクニックなどをわかりやすく解説しているので、ぜひ一度目を通しておきたい。
◆節電.go.jp
http://setsuden.go.jp/
政府による節電関連情報のポータルサイト。トップページでは地域ごとの電力使用率を速報している。また、すべての人が一度見ておきたいのが、5月18日公開の「今夏の節電メニュー」。地域(電力会社)ごとに、どの程度の節電が必要か具体的にまとめたPDF文書で、家庭用・事業者用がそれぞれ公開されている。これによると東京・東北電力管内こそ数値目標がないが、その他の地域は「5~15%以上の節電」が求められている。
◆チャレンジ25キャンペーン
http://www.challenge25.go.jp/setsuden/
温室効果ガスを2020年までに25%削減(1990年比)すべく実施されている国民向けキャンペーン。2010年からスタートしており、節電や夏季軽装の重要性を訴えている。電力節約のノウハウを知りたい時は「みんなで節電アクション!」のページがおすすめ。
◆関西電力 ご家庭における今夏の節電のお願い
http://www.kepco.co.jp/home/setsuden/
http://www.kepco.co.jp/setsuden/graph/
2012年夏の節電は、目標値の差が電力会社ごとに大きく異なる。その中で最も目標値が高いのが「15%以上」の関西電力管内だ。より具体的には、7月2日から9月7日までの平日、9~20時の間に15%以上の節電が必要という(2010年比)。関西電力では「でんき予報」も公開するとしており、実際の受給に応じて、健康に影響のない範囲で協力してほしいと呼びかけている。
◆九州電力 今夏の電力需給見通しと節電へのご協力のお願い
http://www.kyuden.co.jp/saving-energy.html
関西電力に続いて節電目標が高いのが九州電力だ。平日のピーク時においては、2010年比で「10%以上」の節電が必要としている。なお、ピーク時間帯以外の節電についても、揚水発電の供給力増加に効果があるという。
◆東京電力 平成24年度夏期の需給見通しについて
http://www.tepco.co.jp/cc/press/2012/1204003_1834.html
http://www.tepco.co.jp/forecast/index-j.html
東京電力では5月18日付で夏季の電力需給見通しを発表。5786万kW(7月)の供給を確保したことから安定供給できる見込みという。予備率は4.5%程度。とはいえ、無理のない範囲での節電を引き続き求めていくようだ。「でんき予報」も掲載中。
◆大阪府 節電対策 モットキットと一緒にやってみよう!
http://www.pref.osaka.jp/chikyukankyo/setsuden/
今夏の節電の中で特に大きな影響がありそうなのが、一大消費地である大阪府だ。近畿・中国・四国の2府5県が参画し、兵庫県知事が代表を務める「関西広域連合」では、関西電力と協力して15%の節電を要請していくという。こちらのページでは、一般的な節電ノウハウもあわせて紹介中。
◆Yahoo! JAPAN 節電・停電
http://setsuden.yahoo.co.jp/
ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」による特設ページ。電力各社の供給実績値をまとめて掲載している。各社の詳細ページをクリックすると、実際の電力逼迫度に応じてどんな電気器具の使用を控えるべきか、具体的に表示してくれる。
◆省エネルギーセンター
http://www.eccj.or.jp/
http://www.eccj.or.jp/whatsnewj/2012sum/
「省エネ大賞」の主催で知られる団体で、4月から一般社団法人化した。ウェブサイトの特設ページでは、国が発表した2012年夏の電力需給対策をうけ、そのあらましを説明している。ページ末の「夏の家庭における具体的節電対策」では、「テレビの画面輝度が高すぎないか」「温水洗浄便座の温度設定が高いままになっていないか」など、一度見直せば効果が長続きする節電策を紹介中。
◆電力中央研究所 節電と省エネの効果分析と方法について
http://criepi.denken.or.jp/setsuden/index.html
電力関係の研究機関。東日本大震災発生以降、節電に関する研究内容などを特設ページにて集中掲載している。かなり専門的な内容のため、節電に対しての即効性こそ低いが、2011年夏の節電の意義を振り返るために役立つ内容となっている。
●さぁ節電! アイデア集&暑さ緩和グッズ
電力の需給概要、節電の意義を確認してきたが、では、具体的にどのように節電していけばいいのだろうか? ここからは電気器具の上手な使い方、普段からどんなことを心がければいいか、各社から発売される暑さ緩和グッズなどを見ていこう。
◆ダイキン工業 エアコン節電情報
http://www.daikin.co.jp/setsuden/
夏季の電力消費とは切っても切り離せない存在であるエアコン。その製造・販売で知られるダイキン工業では、エアコン節電のためのノウハウをまとめ、こちらのページで紹介している。具体的には、2週間に1度のフィルター清掃、扇風機の併用、エアコン使用開始直前の換気などが重要という。
◆富士通ゼネラル エアコンの上手な使い方
http://www.fujitsu-general.com/jp/products/aircon/howtouse/
「ノクリア」ブランドのエアコンでおなじみ。公式サイトでも、省エネのポイントを解説しており、具体的には「冷房時の温度設定は1度高め」「カーテンやブラインドで熱の遮断」などが重要だという。室外機の周りにものを置かないことも大切だ。
◆パナソニック 家電製品の上手な節電方法
http://panasonic.co.jp/cs/info/setsuden.html
エアコン、冷蔵庫、照明など生活家電を幅広くラインアップするパナソニック。「エコナビ」という統一的なブランドを用い、全方位的な節電対応をアピールしている。こちらのページでは、製品ジャンル別に節電テクニックを解説中。
◆東芝 REGZA ecoスタイル
http://www.toshiba.co.jp/regza/detail/savingenergy/index_j.htm
http://www.toshiba.co.jp/ecostyle/jp/index_j.htm
「レグザ」ブランドの液晶テレビやHDDレコーダーで知られる東芝。これらの機器で節電するため、どんな点に注意すればいいかをPDF形式パンフレットにまとめ、公開している。生活家電系の節電特集ページも参考にしたい。
◆シャープ 家電製品の上手な節電・節水のポイント
http://www.sharp.co.jp/support/info_eco.html
液晶テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの節電手法を紹介する。エアコンについては、設定温度を「室内外の温度差の約5~6度以内」にするのが適当という。夏季の外気温が32~33度なら、26~28度程度。もちろん、こまめなフィルター掃除もお忘れなく。
◆日立の家電品 できることから、みんなで節電
http://kadenfan.hitachi.co.jp/about/attention/setsuden.html
日立製生活家電についての節電ノウハウ集。とはいえ、汎用的な記述も多いので、他社製品利用者でも十分参考になるだろう。エアコンのフィルター清掃は2週間に1度、洗濯機は定格容量を守りながらなるべくまとめ洗いすることが大事、とのこと。
◆三菱扇風機で上手に節電
http://www.mitsubishielectric.co.jp/home/fan/setsuden.html
2011年夏、店頭からきれいさっぱり在庫がなくなっていた扇風機。今年も引き続き需要が多いことだろう。豊富なラインアップで知られる三菱電機だが、公式サイトではエアコンとの上手な併用の仕方なども解説している。
◆東芝 扇風機 F-DLP300
http://www.toshiba.co.jp/living/fans/f_dlp300/
東芝の新製品。扇風機ながらバッテリーを内蔵し、“ピークシフト”を可能としているのが最大の特徴。コンセントに繋いでおくと夜間に充電し、13~15時頃にはバッテリー駆動する。モーターの改善により、基本的な消費電力量も抑えられているという。実売価格約4万円。
◆快転せんぷうき
http://www.senpu-ki.jp/
日本電機工業会による、扇風機の情報サイト。点検、手入れの方法、エアコンとの組み合わせて使う理由などがコンパクトにまとめられている。
◆家電製品協会 省エネ家電 de 温暖化防止
http://www.shouene-kaden2.net/
震災にともなう電力供給量低減、そしてにCO2削減の観点から、節電の重要性を訴えている。ノウハウも非常に豊富で、エアコンの手入れ法はもちろん、電子レンジを使った“スマート調理”も提案している。
◆東京電力 夏の「電気の上手な使い方」をご紹介します
http://www.tepco.co.jp/setsuden/
東京電力自身による節電ノウハウ集。エアコンや冷蔵庫の上手な使い方を紹介する「電機機器の節電手法」、衣食住のポイントをまとめた「涼しく過ごすひと工夫」などを掲載する。また「節電アイディアの検証」では、扇風機の前に凍ったペットボトルを置く手法についての効果測定結果を発表している。
◆TOTO 節水で節電
http://www.toto.co.jp/greenchallenge/value/setsuden/
トイレやキッチンなど水回り用品でおなじみのTOTO。こちらは東日本大震災をうけて掲載された記事で、水の循環のためには電気が必要、転じて、水の消費を抑えればポンプや上下水施設の消費電力も減るという観点の解説を行っている。例えば、トイレの大小洗浄を1カ月間的確に使い分けると、テレビ視聴1時間分の節電効果があるという。
◆All About 光熱費の節約
http://allabout.co.jp/gm/gl/2013/
日常的に役立つ節約術を紹介する。「電気代の節約術」「エアコン電気代の節約術」は2009年に執筆されたものだが、現在でも十分参考になる内容。「節電効果は?エアコン買い替え時に気をつけること」なども読んでおきたい。
◆味の素KK おいしい節電!節電応援レシピ
http://www.ajinomoto.co.jp/setsuden/
電気やガスを使わずに作れる料理のレシピ集。冷汁風おかゆなどの主菜にはじまり、にんじんの白和えなどの副菜、さらにはレアチーズヨーグルトまで、その数30種類以上。「ガスだけは使って缶詰&常備菜で作れる簡単レシピ」も含めると、さらにバリエーション豊富となるので、活用してみよう。
◆東急ハンズ ヒント・ファイル 手軽にできる節電
http://hint-file.tokyu-hands.co.jp/interior/34.html
生活雑貨の多彩な品揃えで知られる東急ハンズ。生活シーン別アドバイス集「ヒント・ファイル」では、節電についての解説を行っている。エアコンの温度設定を変えることで年間電気代がどれくらい節約できるか、具体的に金額を示している。
◆白元 アイスノン
http://www.hakugen.co.jp/products/item.php?bid=28
http://www.hakugen.co.jp/topics/detail.php?tpid=95
エアコンの使用を控えたい時、あるいは炎天下の屋外で頼りになるのが保冷剤だ。白元のアイスノンは保冷剤の代表的ブランド。基本的には“氷まくら”だが、首元に巻く専用タイプなどもある。就寝時用のジェルマットもこのほど発売を開始した。
◆小林製薬 今夏の節電に伴う暑さ対策グッズ特集
http://www.kobayashi.co.jp/special/0004/
発熱時用のおでこ冷却シート「熱さまシート」の発売元。首に巻けるスカーフ状の製品をはじめ、ヘアバンド、マットなどさまざまな派生品が登場している。近年は「シャツクール」「靴クール」などの冷感スプレー各種も販売中。
◆UNIQLO 10万人トライアル
http://www.uniqlo-cool.com/
汗の吸収性や着心地を追求した機能性下着「新シルキードライ」「新サラファイン」のキャンペーン情報ページ。6月9日スタート予定で、ルーレットに当選すると当該製品の引換券が1枚貰える。その上で試着した感想をFacebookに投稿すると、さらにもう1枚をお友達にプレゼントできる。引換券の総発行枚数は10万枚の予定。
◆AOKI
http://www.aoki-style.com/
節電、エアコン使用の抑止には会社員もノーネクタイ・軽装が効果的……と言われ続けるも、なかなか徹底できていないのが現実だ。紳士服メーカーのAOKIでは、太陽光の熱を反射する素材のビジネススーツなどを発売。根強い背広需要に応えている。
◆緑のカーテン
http://www.midorinoka-ten.com/
2011年夏、節電対策として特に注目を集めたのが“緑のカーテン”。ヘチマやゴーヤーといったつる性植物を育て、外壁や窓の遮熱を図るという取り組みだ。こちらのウェブサイトはNPO法人緑のカーテン応援団によるもので、緑のカーテンの育て方を指南している。また、住宅メーカーや園芸用品メーカーの賛助を受けながら、被災地仮設住宅に緑のカーテンを広げる取り組みも実施中。
◆みんなの趣味の園芸 今年の夏は緑のカーテン
http://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_s_green_curtain
NHK Eテレで放送中の「趣味の園芸」と連動するサイト。こちらの特集ページでは、緑のカーテンについて、その効果や作り方を解説している。サイト一般参加者らが寄せた緑のカーテン生育レポートなども読める。
◆フレッツ・ミルエネ
http://flets.com/eco/miruene/
http://www.ntt-west.co.jp/news/1205/120522a.html
NTT東日本が提供中の家庭向け電力可視化サービス。利用料金は月額420円(フレッツ光回線使用料は別)。分電盤に専用計測器を取り付けることで、PCやタブレットから24時間リアルタイムで消費電力量を監視できる。これにより「消費電力が多い時間帯だからテレビを消す」といったことがより能動的に行える。なお、NTT西日本では「フレッツ・エコめがね」という名称で同様のサービスを開始する予定だ。
◆dライトダウンジャパン2012
http://coolearthday.jp/
地球温暖化防止の観点から、夏至と七夕の2日間、夜の2時間に限って一斉消灯(ライトダウン)を行おうというキャンペーン。今年で10周年を迎える。あくまでもイベントであり、直接の節電効果は薄いが、永続的な省エネに取り組むためのきっかけになってほしいものだ。
(2012/6/8)
[森田 秀一]