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Broadcom、“5G WiFi”IEEE 802.11ac対応のエントリー製品向けチップを発表
(2013/6/7 15:51)
ブロードコム・ジャパン合同会社は7日、米Broadcomのモバイル&ワイヤレスグループのバイスプレジデントであるラフール・パテル氏と、ワイヤレスコネクティビティコンボグループのマーケティングディレクターであるジェフ・ベアー氏の来日に合わせ、新製品に関する説明会を開催した。
パテル氏は、「モバイルのデータトラフィックは爆発的に増えており、特に動画のトラフィックが急増している」として、2012年から2017年にかけてモバイルのデータトラフィックは13倍に増えるとするCiscoの予測を紹介。「消費者の生活様式の変化、スマートフォンやタブレットで動画を見たいという意欲が高まっており、こうした需要に答えるためには新たなワイヤレステクノロジーが必要だ」として、そのための技術が「5G WiFi」だとした。
Broadcomでは、IEEE 802.11acのことを「5G WiFi」と呼んでいる。最初の無線LAN規格から数えて第5世代(802.11→11b→11g/a→11n→11ac)にあたるというのが名称の理由だ。
パテル氏は、5G WiFiではスループットが従来の3倍になり、カバレッジが広くなるため無線の死角となるデッドスポットも小さくなるといったメリットを強調。また、高速化によりデータ通信を行っている時間も短くなり、消費電力の軽減にもつながるとした。
対応製品については、日本のバッファローなど各メーカーが既にBroadcomのチップを使ったIEEE 802.11ac製品を生産しており、シャープの「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」、HTCの「HTC One」、Samsungの「Galaxy S4」といったスマートフォンにもIEEE 802.11ac対応のBroadcomのチップが使われていることを紹介した。
また、5月23日にはエントリーレベル向けのチップ「BCM43162」「BCM4339」を、6月3日にはテレビやSTBなどホーム製品向けチップ「BCM4350」「BCM43556」「BCM43558」を発表。それぞれ2013年後半には量産出荷を予定しており、これまでのIEEE 802.11ac対応製品はハイエンド向けが中心だったが、今後は範囲が広がっていくという見通しを示した。
ベアー氏は、組み込みデバイス向けに無線LANチップやAPI、ソフトウェアなどを提供するパッケージ「WICED」について説明。家電製品やセンサーなど、さまざまな機器がWICEDによりネットワークに接続できるようになるというメリットを説明し、Wi-Fiのシングルチップソリューション「BCM4390」や、Bluetooth Smart(Bluetooth Low Energy)対応ソリューション「BCM20732」を紹介。「さまざまな機器がネットワークに接続されるためには、相互運用性が最も重要だ」として、Broadcomでは今後共相互運用性を確保していくと語った。