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NTTとNTT-AT、「H.265/HEVC」コーデック開発キットを販売開始

 日本電信電話株式会社(NTT)とNTTアドバンステクノロジ株式会社(NTT-AT)は8日、最新の映像符号化に関する国際標準規格「H.265/HEVC(High Efficiency Video Coding)」に準拠した圧縮ソフトウェア(エンコードエンジン)を開発し、ソフトウェアコーデック開発キットの販売を開始した。

 H.265/HEVCは、2013年1月にITU(International Telecommunication Union)に承認された次世代のビデオコーデック。NTTが開発した技術では、最大で約2.5倍の圧縮性能を実現し、同等画質であれば従来コーデック(H.264/AVC)と比較してデータ量を最大60%削減。IPTVなどで高画質な映像を安定して配信する制御技術を組み合わせるとともに、高速圧縮技術によりフルHDの映像をコンテンツ再生時間の5倍程度の時間で圧縮でき、高精細映像「4K」「8K」向けのMain 10 Profileにも対応する。

 NTTでは、この技術により現在モバイルなどで急増している動画トラフィックの増加を抑制し、通信事業者の設備投資コストを抑えることが可能となるほか、従来と同じネットワーク帯域でも、より高精細な映像コンテンツの閲覧が可能となり、LTEでの高画質映像の配信やIPTVなどでの4K映像配信の発展が期待できるとしている。

 NTT-ATはこの技術をNTTから取得し、「RealFeel(リアフィール)」シリーズのHEVCソフトウェアコーデック開発キット「HEVC-1000 SDK」として販売を開始した。提供形態は、Windows DLL(Dynamic Link Library)形式のライブラリで、動作要件はOSがWindows 8/7(32bitおよび64bit)およびWindows Server 2012/2008 R2。販売価格は要問い合わせ。

(三柳 英樹)