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新しい「Google音声検索」提供開始、話し言葉を理解し、音声で応答
~「東京スカイツリーは29階あります」等々
(2013/11/29 14:19)
グーグル株式会社は29日、新しい「Google音声検索」の提供を開始すると発表した。検索したい内容をスマートフォンなどに話しかけると、話し言葉を理解し、音声で応答するという。Android 4.1以上/iOS 6.0以上のスマートフォン/タブレットに対応するほか、ウェブブラウザー「Google Chrome」を使えばPCからも利用できる。 同日には、新機能に関するデモレーションが報道関係者向けに開催された。
「話し言葉での入力」「音声応答」を新たにサポート
Googleの音声検索は2009年12月から日本語版の提供を開始していたが、当初はキーボードでの文字入力による検索と同様、音声を検索語ごとに区切って話しかける方式だった。今回の機能強化によって、日本語環境でも「話し言葉での入力」に対応。加えて「音声応答」も新たにサポートした。
音声での応答は、その質問への回答をGoogle検索が知っている場合に行われる。例えば、「ピカソはどこで生まれたの?」に対して「パブロ・ピカソはスペイン・マラガで生まれました」、「スカイツリーは何階建て?」に対して「東京スカイツリーは29階あります」といった具合だ。
このほか、「イタリアの首相は誰?」「中国の人口は?」「田中将大の奥さんは?」など、幅広い検索に対応するとしている。
場所についての検索では、店舗名や観光スポット名、あるいは「○○はどこ?」と話しかけることで、その場所の地図を表示する。また、「○○に行きたい」と言うと、現在地からの経路検索を自動的に起動する。
グーグルでは、「クリスマスの買い物で両手がふさがっていて入力しずらい時や、画面が見られないような状況でも、会話するように知りたい情報をすぐに調べることができる」としている。
音声検索機能をスマートフォンないしタブレットで利用する場合は、アプリ「Google検索」が必要となる。iOSの場合はApp Storeから無料でダウンロードできる。また、Androidについては検索アプリが標準搭載されている。
忙しい年末にピッタリ? 音声検索とGoogle Nowをデモ
29日の記者会見には、グーグル株式会社の製品開発本部長である徳生健太郎氏が登壇した。徳生氏は「例えば、横浜のランドマークタワーに電車で行きたいとします。その場合、まずはその場所がどこにあるかを検索して、それがわかったら次は電車の経路検索をする。その際、最寄り駅を調べる必要もあるかもしれない」と、実は複雑な検索を何度も繰り返している現状があると指摘。より単純に「ランドマークタワーへの行き方」を提示できるのが、検索エンジンとしての理想像であるという。「音声検索の機能強化により、その理想にまた一歩近づけた」と徳生氏は胸を張った。
ここで徳生氏は、会場に設置されたキッチン風のセットの前に移動。クリスマスにあわせてブッシュ・ド・ノエル(ケーキの一種)を作る時に、音声検索をどのように使えるかを自らデモンストレーションした。「(そもそも)ブッシュ・ド・ノエルとは何?」に始まり、「メレンゲの作り方の動画を見せて」「粉砂糖を振りかけるための“シノワ”ってどんなもの?」など自然な言葉での音声検索を繰り返し行い、その用例をアピール。最後には「ケーキ作りに失敗した時は、『近くのケーキ屋の電話番号を教えて』と検索してください。営業時間も確認できますよ」とのオチもつけていた。
また、検索履歴や位置情報をもとに乗換案内や天気を教えてくれる「Google Now」についてのデモンストレーションも行われた。航空便の搭乗時刻、Googleカレンダーに登録したスケジュールのリマインダー、周辺観光スポットなどが検索アプリ上でひとまとめに表示されるため、慣れない観光地などで活用してほしいという。
Google Nowで表示される情報の種類については、順次拡張を行っている。11月には、移動経路検索における遅延情報が新たに表示されるようになった。
徳生氏はデモンストレーションの最後、Google検索サービスにおける新機能追加や改修が2013年の1年だけで650件以上行われている点を説明。今後も機能向上に向けた取り組みを継続させるとし、その上で「これから師走を控え、忘年会や家族のご予定でなにかとお忙しいでしょうが、その時に音声検索やGoogle Nowがお役に立てれば」と述べた。