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米37signalsがBasecampに社名を変更、事業集中で他サービスは売却も検討

 米37signalsは5日、社名を「Basecamp」に変更すると発表した。Basecampは37signalsで最も有名になったプロジェクト管理ツールだ。

 Basecamp以外のサービスについては、他社への売却、提携を含め検討中だ。なお、いずれの場合でもサービスは継続するとしている。

 37signalsはBasecampで知られているほかに、著名なRuby開発者David Heinemeier Hanssonがパートナーとして在籍し、「Ruby on Rail」フレームワークをオープンソースで公開したことでも知られている。また、37signalsでの働き方、大金を追い求めるベンチャー的考え方に対する反論などを、「Getting Real」「REWORK」(邦訳は「小さなチーム、大きな仕事」)などにまとめ、話題となった。近著では在宅・遠隔勤務について記した「REMOTE」(邦訳は「強いチームはオフィスを捨てる」)もある。

 今回の社名変更の理由には、Basecampが最も有名なサービスとなり、多くの人が社名よりもBasecampの方をよく知っている現状がある。創業者でCEOのJason Fried氏は、「我々は長年にわたって非常に多くの製品をリリースしてきたので、少し散らかり、薄まってしまった。薄くなりすぎてしまうと、誰も最高の仕事をすることはできない。少なくとも我々は、ひとつのことだけに集中している時に、最高の仕事ができる」と説明する。

 37SignalsではBasecampの他にも、Ta-da List、Writeboard、Backpack、Campfire、The Job Board & Gig Board、Highrise、Sortfolio、Know Your Company、We Work Remotelyといったサービスを提供してきた。

 現時点で、これらのサービスの継続は決定されているが、今後はBasecampからスピンアウトするか、他社に売却するか、または新機能は追加せずセキュリティのバグフィクスなどメンテナンスを継続し続けるという、3つのシナリオが検討されている。売却する場合、Campfireは数百万ドル、Highriseは数千万ドルの価格が検討されており、すでに数社との話し合いが進行中だが、売却先を募集中だとしている。

 Basecampはシカゴに本社があり、従業員数は43人、世界30都市に遠隔勤務で働く従業員がおり、Basecampの利用アカウントは1500万を超えているとしている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)