ニュース

東大、オンライン講座配信「edX」に参加、ハーバード・MITとの連携講座を配信

 東京大学は18日、大学のオンライン講座を提供する米国のedX(エデックス)との間で、大規模公開オンライン講座(MOOC:Massive Open Online Course)配信に関する協定を締結したと発表した。

edXの東大ページ

 edXは、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の出資により2012年5月に設立されたNPO。世界中の学習者に大学のオンライン講座を無償で学べる機会を提供する事業活動を展開しており、これまでに31大学が140以上の講座を公開。登録者数は約200万人以上に上る。日本からは2013年5月に京都大学がedXに参加しており、東京大学が2校目となる。

 東京大学では、2013年9月から米Courseraのプラットフォームを利用してMOOC配信の実証実験を行っており、さらにこの取り組みを発展させるためにedXにも参加。近現代の日本に関する連携講座シリーズ「ビジュアライジング・ジャパン(Visualizing Japan)」を2014年秋から順次提供する予定。

 連携講座シリーズは、東大、ハーバード大学、MITが近現代の日本に関する講座を開発するもので、ハーバード大学からはアンドルー・ゴードン教授、MITからはジョン・ダワー教授が講座を担当。東大からは、副学長・大学院情報学環教授の吉見俊哉氏による「ビジュアライジング・ポストウォー・トーキョー Part 1・2」の2講座を配信する予定。

 講座の実施に関しては、履修者の学習状況や成績の分布などの研究を進めるとともに、オンライン講座と対面授業を組み合わせる「反転授業(Flipped Classroom)」についても試行的実践と評価を行う。

 また、今回の合意に伴い、MITでオープンエデュケーションを先導してきた宮川繁教授を東大の大学総合教育研究センター特任教授・オンライン教育担当ディレクターとして迎え(MITと兼任)、MOOC展開の体制整備を進めていく。

 連携にあたり、東大の江川雅子理事は「edXへのコース提供が実現することで、さらに世界の多くの人々に東京大学の知の蓄積を提供できることを大変喜ばしく思っています。また、ハーバード、MITとの連携によって魅力ある教育プログラムを開発することで、東京大学の国際化がさらに進むことを確信しています」とコメントしている。

(三柳 英樹)