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“ネット動画体験を一変させる”テレビアダプター「Qplay」発売

~TiVo共同創業者が開発

 TiVoの共同開発者2人が、ネット動画の見方を「再定義」する目的で開発した新テレビ接続型デバイスとクラウドサービス「Qplay」の試験的発売を25日、開始した。供給量はまだ少ないが、アーリーアダプター向けディスカウント価格49ドルでの発売開始となる。

 Tivoを開発したQplayのCEOのMike Ramsay氏とCTOのJames Barton氏は、デジタルビデオレコーダーがテレビの視聴方法を変えたように、ネット動画の見方を変革することを目標にしている。

 Qplayはトランプの束より少し薄い程のデバイス「Qplay TV Adapter」と操作するためのiPadアプリ、バックエンドのクラウドサービスから成り立っている。テレビアダプターをテレビに接続し、iPadアプリから認証すると、設定データはすべてクラウドに送られる。

 iPadアプリから視聴したいネット動画の設定、再生、停止などの操作を行う。途中でアプリを切り換えても、動画はクラウドから制御されているため、テレビ画面での再生が途切れることはない。

 Qplayの動画はすべて「Qs」と呼ばれるキュレーションされた動画、チャンネルのような仕組みにまとめられている。自分好みのQsを作成できるほか、友人のQsをシェアしてもらったり、公開されたQsや人気のQsを選ぶこともできる。

 Qsに友人のTwitter、Facebook、Instagramなどのフィードを登録し、友人関係の動画を流し続けるといったソーシャルな使い方もできる。

 Qplayは2012年8月に設立され、Redpoint VenturesとKleiner Perkins Caufield and Byersが初期投資を行った。

 この投資を行った理由として、Redpoint VenturesのパートナーGeoff Yang氏は、「我々がQplayに投資したのは、MikeとJimを信頼しているからだ。彼らがTiVoで達成したことは、業界を揺り動かし、消費者にテレビを見る新しい方法を与えた。彼らが現在ネット動画を目標にしている以上、彼らにはそれ以上のことを期待している」と説明した。

 現在Qplayが再生できるコンテンツはYouTube、Vimeo、Twitter、Facebookなどに限られている。米国で大きな勢力
を持っているNetflixやHuluなど有料動画サイトは見られない。今後はこうした有料コンテンツも追加していきたい考えだ。

 テレビ画面でネット動画を見ることに関してはまた決定打がなく、誰もが解決したいと考えている大きな問題がここにあるのは明らかだ。Apple TV、GoogleのChromecast、TiVoのほかにもRokuといったSTB、そして最近になってAmazonの参入が噂されている。日本ではPlayStaton Vita TVがHuluやYouTubeの再生機能を備える。

(青木 大我 taiga@scientist.com)