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ミクシィ、「モンスト」効果で売上高493%増、mixiのユーザー数は下げ止まり
(2014/8/8 20:46)
株式会社ミクシィは8日、2014年度第1四半期(4~6月)の連結決算を発表した。売上高は127億1800万円で、前年同期比493.1%増。営業利益は46億5400万円、四半期純利益は29億1900万円で、前年同期の営業損失8400万円、四半期純損失2億5300万円からそれぞれ黒字転換した。主な要因として、ソーシャルゲーム「モンスターストライク」の業績拡大にともない、売上・利益共に順調に推移したためとしている。
モンスターストライクは快調
ミクシィは8日に記者発表会を行い、株式会社ミクシィ代表取締役社長の森田仁基氏と同取締役の荻野泰弘氏が登壇した。
コンテンツ事業では、モンスターストライクが7月19日時点でユーザー数1000万人を突破し、App StoreとGoogle Playの売上ランキングも1位になっている。また、それらを合計した売上世界ランキングでもモンスターストライク単体で6位、パブリッシャーでは10位にランクインしている。第1四半期でのモンスターストライクの売上は100億円を超えたという。
映画公開中のゴジラとのタイアップや、ローソンで取り扱う商品との連携など、コラボレーションも積極的に展開。広告宣伝にも力を入れており、口コミ効果を研究し、SNSなどでユーザー同士で話題になるようなテレビCMの放映などを行っている。第1四半期に費やした広告宣伝費は12億5000万円。第2四半期では20億円を広告宣伝費に使う予定としている。
海外展開も加速。すでにテストマーケティングで展開している台湾では、口コミのみで70万ユーザーを獲得。セールスも好調で、売上ランキングもApp Storeで4位、Google Playで9位につけているという。今月からプロモーション展開を行い、ラッピングバスなど走らせる。
テンセントと開発している中国版モンスターストライクは、クローズドベータテストの段階。公開時期は未定としている。現在は、台湾、中国、香港、マカオでの展開を進めているが、他国への参入も検討しているという。なお、海外販売比率は非公開。
また森田氏は、モンスターストライク以外の新しい企画については、定期的に出せるものではないとした上で、良い企画があれば事業化したいとの方針を語った。また、合宿形式のアイデア出しコンテストを実施するなど、新規事業創出への取り組みも行っているという。
mixiのユーザー数は下げ止まり
メディア事業では、mixiが10周年を迎えたのを記念し、「Friends and mixi」プロジェクトを4月より実施しており、興味関心軸でのコミュニケーションを促進する施策として、コミュニティを中心としたユーザー参加型のイベントを複数開催。イベントの様子をコミュニティに書き込んでもらったり、ユーザー同士でマイミクになってもらうことで、mixiに戻って来てもらう施策を展開している。
また、森田氏によると、現時点でmixiのユーザー数は下げ止まっているという。その背景として、mixiをオープン化することにより、検索でmixiのコンテンツが引っかかるようになったほか、先述のコミュニティ向け施策を展開することで、ユーザーが継続してmixiを利用しているという。また、外部要因として、SNS疲れにより、新規ユーザーや前に利用していたユーザーが戻ってきているのではないかと推察した。
ライフイベント事業は、結婚支援事業の「Diverse」が提供する結婚支援サイト「youbride」がiOSアプリをリリースしたほか、フォトブック事業の「nohana」がフォトブックの提供を開始したことで、売上は堅調に推移した。
業績予想を大幅に上方修正
第2四半期(累計)の連結業績予想は、売上高が、前回発表の195億円から330億円と上方修正。営業利益も、46億円から130億円へ、四半期純利益も28億円から80億円へと大幅に上方修正した。売上高330億円のうち、280億円はモンスターストライク関係の売上となる。要因として、6月で一段落すると予測していた、モンスターストライクのアクティブユーザーが引き続き増加したためとしている。ARPUは横ばいとのこと。
2015年3月期通期の予想は、モンスターストライクが予想を大幅に上回るペースで進捗しており、半年後の数字の予測が難しい点と、既報の通りスマートニュース株式会社のネイティブ広告ネットワーク「ネイティブアド」を開始するため、非開示としている。配当予想は一株あたり20円を予定している。