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試用版を製品版に変えるクラックツール提供の男に不正競争防止法違反を初適用

 BSAは17日、福井簡易裁判所が福井県内の男性に不正競争防止法違反を適用し、罰金として50万円を科す略式命令を出したと発表した。

 この男性は、「Office 2013 Professional Plus」の試用版を、マイクロソフトのライセンス認証システムを回避することで、使用期間や機能制限のない製品版として利用できるようにするクラックツールを、男性が管理するストレージ上で提供していたという。不正競争防止法違反の判断は初めてのケースだとしている。

 BSAはこれまで、ライセンス認証システムが不正競争防止法の定める技術的制限手段に該当し、クラックツールが同法上の技術的制限手段回避プログラムに当たるとして、不正競争防止法の適用を求めてきたという。また、BSA加盟企業が用いるライセンス認証システムに関する情報を提供するとともに、不正競争防止法の解釈・適用に関し、鑑定書等を作成するなどの捜査協力を行った。

 現在、ソフトウェアの不正販売の手口は、従来の海賊版販売に比べ、不正に入手したシリアルナンバー/クラックツールなどを、ウェブサイトやオークションサイトで販売する事例が大幅に増加していることから、BSA加盟企業ではその有効な対策に迫られていたとしている。

(山川 晶之)