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Google、「アビー・ロード・スタジオ」の扉を世界に開く。内部を探索可能に

 Googleは14日、「アビー・ロード・スタジオ」の扉を開いたと発表した。同スタジオとともに制作したインタラクティブサイト「Inside Abbey Road」を公開。世界中の音楽ファンが、ロンドンにあるこの歴史的な音楽スタジオの内部を探索できるようにした。

 Inside Abbey Roadでは、3つのメインスタジオおよびそのコントロールルームと、マスタリングルームの計4エリアの内部について、150カ所以上の360度パノラマ写真を公開。Googleのインドアビュー(ストリートビューの室内版)と同様のインターフェイスで、自由に歩き回れるようにしている。ガイドツアーもあり、スタジオのプロデューサーやエンジニアらによる音声解説にシンクロさせながら、スタジオ内の見所を表示してくれる。

 スタジオ内の至る所にアイテム(計77個)がリンクされており、機材の説明や関連するエピソード、写真史料などを参照できるほか、ポール・マッカートニーやスティングはじめ、スタジオを実際に使ったアーティストの演奏シーンを収めたYouTube動画も見ることができる。

 スタジオの機材をブラウザー上で再現し、インタラクティブに遊べるようにした簡単な音響ガジェットもある。ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のレコーディングにも使用されたという4トラックテープレコーダー「J37」のガジェットでは、録音された各楽器の演奏を各トラックに割り振って音を重ねていくことが可能。ミキサー卓のガジェットでは、4チャンネルだけだが、録音されている楽器の音量バランスを調整してミックスダウンする体験ができる。いずれも、“お手本”を聞きながら自分でそれを再現してみて、結果を採点してもらう機能もある。

 このほか、ユーザーが自分の声を録音し、それにアナログテープエフェクターの各種効果をかけてみられるガジェットもある。マイクロフォンの名機コレクションのガジェットでは、各製品の音声解説を聞きながら、マイクロフォンのディテールを近距離でなめるように眺めることも可能だ。

 Inside Abbey Roadは、世界の文化や名所などを人々がどこからでも体験できるようにするためのGoogleの取り組みの一環だという。

(永沢 茂)