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フラッシュメモリを物理的に破壊せずに“忘れられる権利”を実現するメモリシステム、中央大・竹内健教授のグループが開発

 学校法人中央大学は18日、同校理工学部・竹内健教授のグループが、インターネットにおける“忘れられる権利”を実現するメモリシステムの開発に成功したと発表した。

今回開発した技術の実験結果。システムで指定した7日目に画像データが解読不能となった

 データの寿命をあらかじめ設定し、その時点で自動的にデータが壊れ、再現不能になるメモリシステム「Privacy-protection Solid-State Storage(PP-SSS)System」を開発した。リーク電流によるフラッシュメモリのデータ破壊(エラー確率)を、高い精度で予測できる特徴を利用。データをメモリに書き込む時点で寿命に応じた所定の数のエラーを意図的に注入することでデータを破壊し、誤り訂正できないようにする。

 なお、同システムはデータを意図的に誤るように制御できるものであり、メモリデバイス自体は破損しないため再利用が可能。

 この研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業であるエネルギー・環境新技術先導プログラム「IoT時代のCPSに必要な極低消費電力データセントリック・コンピューティング技術」において行われたもの。

フラッシュメモリのエラー率の予測結果(左)と、書き換え回数、データの寿命に応じて事前に注入するエラー量(右)

(山川 晶之)