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Twitterが日本国内に開発部門を設置へ、米国外で初、エンジニアの採用活動スタート

 Twitterは14日、同社としては米国以外で初となるエンジニアリングオフィス(開発部門)を日本法人のTwitter Japanに設置する意向を明らかにした。16日にはリクルーティングイベントを開催し、ディレクタークラスのエンジニアの採用活動を開始、日本市場における新たな機能・サービスの提供に向けた取り組みを本格化させる。

Twitterシニアプロダクトマネージャーの鈴木宏輔氏

 Twitterは、7月1日に日本ユーザー専用の「ニュース機能」を実装したiOS版公式アプリをリリースしたばかり。同社シニアプロダクトマネージャーの鈴木宏輔氏によれば、開発時のテストで「(同社がこれまで試してきた機能と比較して)今回のニュース機能ほど滞在時間が増えたものはなかった」とし、「現在はAndroid版をテスト中。それが終わればリリースする予定」であること、さらには他国へのニュース機能の実装を視野に入れていることも明かした。

 ニュース機能は米サンフランシスコ本社の日本人チームの手によって開発されたものだが、今後は日本向けの機能・サービスを作るに当たって、日本国内に設置する独自のローカルチームがその開発の役目を負うことになる。鈴木氏は開発プロセスにおいて、「米国では(日本人にとっては見やすいUIでも)文字の密度が高すぎるんじゃないかと思われる」といった課題があると話し、「日本人のエンジニアなら、あうんの呼吸というか、日本のユーザーはこうだよね、という共通認識がある」ことから、感覚的な面でも日本人にマッチしたものを作りやすくなるとみている。

「当初より米国に次いでユーザーが多かったことから、日本市場にフォーカスしてきた」と語るTwitter Japan執行役員の牧野友衛氏

 Twitter Japan執行役員の牧野友衛氏は、ユーザー向けのアプリやサービスを提供している以外に、Yahoo! JAPAN、NTTドコモ、ビデオリサーチへのデータ提供によるリアルタイム検索機能やテレビ番組に関するツイート分析の実現、NTTデータとの提携によるツイートデータの販売などを行っており、Twitterがビジネス分野ではすでに積極的な活動を行ってきていることを解説した。

 一方で、日本の一般ユーザーは電車の遅延情報の確認、地震や台風といった災害情報の収集など、他国では見られない独特の活用方法でTwitterを使いこなしており、こうした地域の独自性を考慮した上でTwitterのサービス拡充を目指す必要があると判断している。「日本に特化して、ユーザーがどういったサービス必要としていて、どういった使い方をしているか、そこからアイデアを集めて製品開発し、マーケティングも含めて展開していく」計画だ。

 将来的には、日本国内で開発した機能・サービスを世界各国に広げていく可能性もある。「“日本向け”から“日本発”にいかに変えていくのかもチームの使命」と語り、優秀なエンジニアからの採用応募と日本市場のさらなる発展に期待感を示した。

Twitterシニアエンジニアリングディレクターのアカッシュ・ガーグ氏。「これからも数々の可能性のあるプロダクトが日本(のエンジニアリングオフィス)から生まれると思う。だから日本のチームには自主性をもたせたい」と期待を寄せる

(日沼 諭史)