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リアル店舗のショールーミング化、通販利用者の6割が“店舗で実物を見てから通販で購入した経験”

 公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)は、家電購入におけるリアル店舗とネット通販の利用実態について調査した結果を公表した。調査対象は、直近1年で通販を利用したことがある15~69歳の1008人。

 過去1年に家電を購入した人は597人。利用したチャネルは、リアル店舗が68.2%、ネット通販が46.6%。ネット通販利用率を年代別に見ると、10代が56.4%、20代が54.5%と過半数を超えた。30代は47.4%、40代は48.4%、50代は40.7%、60代は34.0%。

 チャネルごとの商品内訳を見ると、洗濯機など大型でサイズ感や保証が気になるファミリー家電は、販売員に相談できたり、実物を確かめられるリアル店舗で、ヘッドフォンなどコンパクトで商品数が多いパーソナル家電は、レビューなど個人の使用感を比較できるネット通販で購入される傾向にある。

 「店舗で実物を見てネット通販で購入した経験がある」は63.3%、20~40代では7割を超えており、“ショールーミング”が浸透していることが分かった。また、ショールーミング経験者378人のうち、「店舗で実物を見て、同店の通販サイトで購入した経験がある」は60.1%だった。

 通販サイトで商品を比較し、事前に価格や評価などの情報収集をしてから店舗に行った経験があるケースは全体で72%に上る。さらに、ネットで価格を比較した後、店舗で価格交渉をしたことがあると答えた人は全体で43.4%、30~40代では5割を超えた。JADMAによると、購入検討の段階でネット/リアルを問わずに情報収集を行い、最適な購入チャネルを選択・併用することが消費者の間で一般化しているという。「消費者の需要に応えるために、事業者は店舗とネット通販を融合させるオムニチャネル化の取り組みを積極的に進めていくと考えられる」としている。

(磯谷 智仁)